LEATHERNECK(海兵隊のニックネーム)
LEATHERNECK
レザーネックとは、海兵隊のニックネームです。
由来は、1798年に再建された際、士官、兵士を問わず唯一支給され、共通して首につけていた黒皮製のカラー(襟)のことです。
当時は、直接、相手の船に乗り込んでの白兵戦が海戦の最終手段であったために、首を刀剣から守るために着用していました。というのは、建前で、この不快な3インチの革の襟の本来の目的は、海兵隊員の首をきちんと立たせておくためのものでした。
他にも、激しい訓練で首の部分が日焼けによって皮のように堅くなったという説もあります。
理由はどうあれ、このレザーネックは海兵隊員の別名であり、海兵隊の礼装(ブルー)が詰め襟であることが示すように現在でも、この伝統は引き継がれ続けています。
Devildogs
ブルドック。闘牛のために生まれた、この犬は、目標にしぶとく食らいつくことから、海兵隊の象徴としてマスコットに選ばれています。
元々の由来は1918年5月27日、ベローウッドの森に海兵隊が到着した時、フランス軍は既に撤退を開始していました。
"Retreat,hell.We just got here."
「撤退だってふざけるな! 我々は到着したばかりだ!」
第5海兵連隊第2大隊51中隊長リロイド・ウィリアムズ大尉が罵ります。
この言葉が象徴するように、海兵隊は陣に付き、6月6日からドイツ軍へ反撃を開始します。
"Come on,you sons of bitches.Do you want to live forever?"
「くそったれどもついて来い! お前らは伝説になりたくないのか?」
二つの名誉勲章(中国及びハイチ)を持つ英雄ダニエル・ダリー一等軍曹の言葉が導くように、海兵隊は何度も攻撃し、そして撃退され、それでも攻撃を繰り返し、この執拗に食いついてくる海兵隊に恐怖したドイツ軍は、彼らを、
"Teufelhunden."
「悪魔の犬たち(Devildogs)」
と呼んだとされています。
※なお、これはドイツ軍側の記録としては残されていないそうです。
ベローウッドでドイツ軍と交戦する海兵隊
15日までに海兵隊はドイツ軍の機関銃に損害を出しながらもベローウッドを奪還。フランスは、これに狂喜し、アメリカ海兵隊の武勲を讃え、7月4日を祝日とし、また、1955年11月10日には、「海兵隊戦没者記念碑」も作成したDr.フェリックス・デ・ウェルデンによる記念碑も作成されたように、海兵隊にとって記念すべき戦いであり、「魔犬」は海兵隊を象徴する栄誉ある称号とも言えます。
Yellow Legs
アンクルブーツにレギンスを着用するスタイルは、陸軍では第2次世界大戦末期から廃れ始めましたが、海兵隊ではその後もこのスタイルを維持し、朝鮮戦争においてもレギンスを着用していました。
そして、この朝鮮戦争で奮戦し、1950年末の敗退の時期、各地で撃破され、士気がどんぞこまで落ち込んでいた国連軍で、海兵隊(と第7歩兵師団)だけは士気が衰えていないと賞賛され、事実、共産軍では、
「"YellowLegs"を攻撃せず、陸軍兵士を攻撃せよ」
という命令まで出されたそうです。
このとき、数々の激戦をくぐり抜けた彼らの摩耗したレギンスは、海兵隊の奮戦の証ともなりましたが、逆に海兵隊員は、
「常に戦うことを熱望しているために、レギンスを外し、敵がすぐに逃げないようにしている」
と語ったそうです。
※ちなみに……
YellowLegs:キアシシギ チドリ目シギ科
5月と6月及び8月から10月に日本に飛来する旅鳥
だそうです。
Grunt
本来の意味は、動物の鳴き声を示し、転じて、不平を言う、ぶつくさを言う、となったGruntはベトナム戦争以降、海兵隊に限らず、陸軍の歩兵も表す言葉となりました。
第2次世界大戦時は、重い通信機を扱う通信部隊の兵士たちを表していましたが、ベトナム戦争の頃に海兵隊と陸軍兵士の歩兵たちを表す言葉へと変化していき、歩兵=GRUNTということになります。海兵隊でも、全員がライフルマンとはいえ、やはり、兵科はあり、歩兵科の者だけが、GRUNTと呼ばれることになります。
というのも、海兵隊では、上陸作戦を敢行することもあり、一度に運搬する荷物が最も大きな兵士になり、実際、125ポンド(約56.75kg)という尋常ではない戦闘装備を携行しますから。
しかし、陸軍や空軍などと違い、歩兵(GRUNT)でなくとも、海兵隊は全員がライフルマンであり、兵科を問わず全員が自分も参加する自覚を持っています。
Soldires of the Seas
Soldires of the Seas海洋の兵士たちとは、海兵隊を象徴する言葉の元祖です。この言葉は1600年代以降、全ての海兵隊を表す伝統的な言葉として各国の海兵隊に与えられてきました。
そして、アメリカ海兵隊には、第2次世界大戦の際に、これを発展させたSoldires of the Seven Seas七つの海の兵士たちという称号も与えられています。
Jarhead
丸刈り頭と日本語訳されますが、頭頂部に髪を残して周囲を刈り上げる海兵隊員の頭をお湯を入れるポットに例えた呼び名なので丸坊主とは少し違います。
南部のスラングでは、「大間抜け」や「大酒飲み」。
1933年のレザーネックマガジンには、陸軍兵士をジャーヘッドと呼ぶと記載されましたが、第2次世界大戦の頃に海軍の水兵たちから、海兵隊員がそう呼ばれるようになり、また海兵隊のブルードレスの詰め襟も、それを連想させる元となりました。
と言うように、元々は陸軍兵士も、ジャーヘッドだったのですが、いつしか海兵隊員のみをジャーヘッドと呼ぶようになりました。