階級
海兵隊に限らず、アメリカ軍の規定改変により、海兵隊でも数回階級の改変が行われています。
初の将軍は、ペリー提督に従い初の日本上陸を果たした7代司令官ジェイコブ・ゼイリン准将。その後、9代司令官チャールズ・ヘイウッドが少将となり、17代司令官トーマス・ホルコムが中将、18代司令官アレキサンダー・ヴァンデグリフト大将が海兵隊初の四つ星を得て以降は、海兵隊司令官は大将が勤めることとなります。
階級制度は、これらによって移り変わり、現在の形になるのは1959年となっています。
階級(1959-現在)
階級章 |
階級名 |
給与 |
|
---|---|---|---|
将官 | General 大将 |
O-10 |
|
Lieutenant General 中将 |
O-9 |
||
Major General 少将 |
O-8 |
||
Brigadier General 准将 |
O-7 |
||
佐官 | Colonel 大佐 |
O-6 |
|
Lieutenant Colonel 中佐 |
O-5 |
||
Major 少佐 |
O-4 |
||
尉官 | Captain 大尉 |
O-3 |
|
First Lieutenant(Lieutenant) 中尉 |
O-2 |
||
Second Lieutenant(Lieutenant) 少尉 |
O-1 |
||
準士官 | Chief Warrant OfficerW5 五級准尉 |
W-5 |
|
Chief Warrant OfficerW4 四級准尉 |
W-4 |
||
Chief Warrant OfficerW3 三級准尉 |
W-3 |
||
Warrant OfficerW2 二級准尉 |
W-2 |
||
Warrant OfficerW1 一級准尉 |
W-1 |
||
下士官 | Sergeant Major of The
Marine Corps 海兵隊最先任上級曹長 |
E-9 |
|
Sergeant Major 先任上級曹長 |
|||
Master Gunnery Sergeant 上級曹長 |
|||
1st Sergeant 第1軍曹 |
E-8 |
||
Master Sergeant 曹長 |
|||
Gunnery Sergeant 一等軍曹 |
E-7 |
||
Staff Sergeant 二等軍曹 |
E-6 |
||
Sergeant 三等軍曹 |
E-5 |
||
Corporal 伍長 |
E-4 |
||
兵 | Lance Corporal 上等兵 |
E-3 |
|
Private First Class 一等兵 |
E-2 |
||
- |
Private 二等兵 |
E-1 |
|
ハッシュマーク 一本に付き、4年の勤続年数を示します。 ※写真の場合は、8年勤務。 |
現在の階級は23等級に分かれています。
海兵隊は、大将が最高階級で、提督(元帥:General of The MarineCorps)は存在しません。
海兵隊特級曹長は、たった1人だけが任命されます。
※海軍、陸軍と空軍にもそれぞれ軍付最上級曹長が1人だけ任命される。
LanceCorporalは下士官と兵の境目に位置する階級で、過去、槍を持つ兵士を意味し、現在のライフル小隊においては分隊支援火器の担当と多少の名残があります。
なお、海兵隊では他とは違い階級章をつけない例が多々見られます。元海兵隊報道員グスタフ・ハスフォード氏によれば、
「態度と喋り方で階級を示す」
ということですが、戦闘服に直接書き込んだりしている例があり、1968年に陸軍が採用した襟用階級章を海兵隊も次第に使用していくことになります。
また、兵下士官用の階級章(いわゆるシェブロン:階級章の形に由来。山の意)は、礼服(赤地に金)、制服用(赤地に緑)、シャツ用(カーキ地に緑)、軍楽隊用(デザインが旧式。赤地に金)そして戦闘服用(襟用、黒)があります。
将校は、襟章のため、礼服、制服、シャツは共通(礼服と制服は肩に、シャツは襟につけます)。
また、全階級とも戦闘服用の襟用階級章(金属製或いは布製)が存在しますが、これはベトナム戦争以前から、階級章を目標に狙撃される出来事が多々起きており、そのため、色彩を落としたサブデュード階級章が採用されます。これにより、中佐と少佐、中尉と少尉の見分けが一層見分けにくくなりました(中佐と中尉は黒、少佐と少尉はグレーのため、ぱっと見て区別がつきにくい)、中佐と中尉は面白くなく、少佐と少尉には嬉しい事態が若干生じたりしていますが、それは余談。
なお、海兵隊には陸軍のように兵科は無く、全員がライフルマンとなります。
更に訓練生は、基礎訓練が完了するまで人間ではありません。
階級(1946-1959)
階級章 |
階級名 |
給与 |
|
---|---|---|---|
下士官 | Sergeant Major 先任上級曹長 |
E-9
|
|
1st Sergeant 第一軍曹 |
E-8 |
||
Master Sergeant |
E-7 |
||
Gunnery Sergeant 一等軍曹 |
E-6 |
||
Staff Sergeant 二等軍曹 |
E-5 |
||
Sergeant 三等軍曹 |
E-4 |
||
Corporal 伍長 |
E-3 |
||
兵 | Private First Class 一等兵 |
E-2 |
|
- |
Private 二等兵 |
E-1 |
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人員削減、規模縮小時、そして、朝鮮戦争時の階級制度。 |
階級(1944-1946)
階級章 |
階級名 |
給与 |
|
---|---|---|---|
下士官 |
1st Sergeant Sergeant Major
|
Grade1 |
|
Master Gunnery Sergeant Master Technical Sergeant Quartermaster Sergeant Paymaster Sergeant |
|||
Gunnery Sergeant |
Grade2 |
||
Technical Sergeant |
|||
Platoon Sergeant |
Grade3 |
||
Staff Sergeant |
|||
Sergeant |
Grade4 |
||
Corporal |
Grade5 |
||
兵 | Private First Class |
Grade6 |
|
- |
Private |
Grade7 |
第2次世界大戦時における海兵隊の最高階級は、当時の司令官ホルコム少将(後中将)だったことが示すように他の陸軍と海軍(当時空軍は陸軍の一部局)とガダルカナルの戦いが終わって後、名誉勲章を受章したヴァンデグリフト少将が司令官に就任し、後に大将に昇進するまで同等ではありませんでした。
なお、この時期、ユーティリティには、ステンシルで階級が袖に書き込まれていました。