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Four-Star General of The Marine Corps(海兵隊大将)

 海兵隊での最高階級は、現在では大将であり、他の三軍と事実上は同列になっています。
※他と違い海兵隊元帥(General of The Marine Corps)はありませんが、今の時勢、他の三軍で元帥になる人も当面はいないでしょう。全軍ではオマー・ブラッドレー陸軍元帥が最後。

 しかし、そうなったのは第2次世界大戦中の1945年3月21日に議会が承認した海兵隊司令官は大将(General)が務めることとした法令によってであり、それまでは司令官は中将(Lieutenant General)が務めていました。
※第17代トーマス・ホルコム中将の前任者ジョン・H・ラッセル Jr.司令官までは少将。

 この法令に基づき1945年4月4日、第18代海兵隊司令官アレキサンダー・A・ヴァンデグリフト中将は大将に昇進すると同時に現役海兵隊員としては初の大将となります。

 これは1947年8月7日の法令USC5201第10条で正式に司令官職は大将の階級にあるものと定められ、以後、海兵隊司令官は任命された日付から退任するまで大将として務めることとなりました。

 海兵隊初の大将はヴァンデグリフト司令官の前任者である第17代のトーマス・ホルコム司令官で、開戦から1944年1月1日付けで退役するまで初期の厳しい状況下の中、規模を拡大していく海兵隊を導き続けた功績により、1942年2月23日の法令が適用され、退役と同時に大将の階級が与えられました(現役司令官としても初の中将)。

 この条項自体は1959年8月11日に廃止が決まり、同年11月1日を持って有効となり、大将の階級は現役司令官に限定されることを意味していましたが、それまでに16名の中将が退役に合わせて大将へと昇進しました。

 10年後の1969年4月、ベトナム戦争の影響で海兵隊の現役兵力が200,000名を越えたとき、ホワイトハウスと上院で海兵隊副司令官職も大将とする法案が通過し、1969年5月5日にニクソン大統領によって法案が認められ、更に1976年3月4日にフォード大統領によって副司令官職は海兵隊の規模にかかわらず大将が務めることと定められました(法令94-225)。
※現役兵力が500,000名だった第2次世界大戦時は司令官ですら中将だったわけで…

 これにより、1969年6月2日、ルイス・W・ウォルト中将が副司令官として最初の大将となり、以降の副司令官も大将が務めていきます。

 1985年11月22日、ジョージ・B・クリスト中将は大将に昇進し、11月27日にフロリダ州マックディル空軍基地で中央軍司令官に任じられました。この任命により、海兵隊は初めて同時に3人の現役勤務の大将を持ちました。

 現在は司令官及び副司令官以外に、統合参謀本部長としてピーター・ペース大将、合衆国戦術司令部司令官ジェームズ・E・カートライト大将が務めています。
※海兵隊初の欧州軍司令官ジェームズ・L・ジョーンズ大将は2007年2月1日に退役

司令官(18代-34代)
 アレキサンダー・A・ヴァンデグリフト大将(1945年4月4日-1947年12月31日)
 クリフトン・B・ケイツ大将(1948年1月1日-1951年12月31日)
 ラミュエル・C・シェパードJr.大将(1952年1月1日-1955年12月31日)
 ランドルフ・McC・ペート大将(1956年1月1日-1959年12月31日)
 デヴィッド・M・シャウプ大将(1960年1月1日-1963年12月31日)
 ウォレス・M・グリーンJr.大将(1964年1月1日-1967年12月31日)
 レオナルド・F・チャップマンJr.大将(1968年1月1日-1971年12月31日)
 ロバート・クッシュマンJr大将(1972年1月1日-1975年6月30日)
 ルイス・H・ウィルソン大将(1975年7月1日-1979年6月30日)
 ロバート・H・バロウ大将(1979年7月1日-1983年6月30日)
 ポール・X・ケリー大将(1983年7月1日-1987年6月30日)
 アルフレッド・M・グレイJr.大将(1987年7月1日-1991年6月30日)
 カール・E・マンディJr.大将(1991年7月1日-1995年6月30日)
 チャールズ・C・クルラク大将(1995年7月1日-1999年6月30日)
 ジェームズ・L・ジョーンズ大将(1999年7月1日-2003年1月13日)
 マイケル・W・ヘギー大将(2003年1月14日-2006年11月13日)
 ジェームズ・T・コンウェイ大将(2006年11月14日-)

副司令官
 ルイス・W・ウォルト大将(1969年6月2日-1971年1月29日)
 キース・B・マッカーソン大将(1971年1月30日-1971年3月11日)但し健康上の理由で就任せず
 レイモンド・G・デーヴィス大将(1971年3月12日-1972年3月30日)
 アール・E・アンダーソン大将(1972年3月31日-1975年6月30日)
 サミュエル・ジャスキルカ大将(1976年3月4日-1978年6月30日)副司令官としては1975年7月1日から勤務
 ロバート・H・バロウ大将(1978年7月1日-1979年6月30日)
 ケネス・マクレナン大将(1979年7月1日-1981年6月30日)参謀長兼任
 ポール・X・ケリー大将(1981年7月1日-1983年6月30日)参謀長兼任
 ジョン・K・デーヴィス大将(1983年7月1日-1986年5月31日)
 トーマス・R・モーガン大将(1986年6月1日-1988年6月30日)
 ジョセフ・J・ウェント大将(1988年7月1日-1990年7月31日)参謀長兼任
 ジョン・R・デイレー大将(1990年8月1日-1992年8月31日)参謀長兼任
 ウォルター・E・ブーマー大将(1992年9月1日-1994年7月14日)
 リチャード・D・ハーニー大将(1994年7月15日-1996年9月26日)
 リチャード・I・ニール大将(1996年9月27日-1998年9月4日)
 テレンス・R・デーク大将(1998年9月5日-2000年9月7日)
 マイケル・J・ウィリアムズ大将(2000年9月8日-2002年9月9日)
 ウィリアム・L・ナイランド大将(2002年9月10日-2005年9月7日)
 ロバート・マグナス大将(2005年9月8日-2008年7月2日)
 ジェイムズ・F・エイモス大将(2008年7月3日-)

1959年までに退役時昇進に伴い大将となった中将
  トーマス・ホルコム
 ウィリアム・O・ブライス
 グレーブス・B・アースカイン
 フランクリン・A・ハート
 ロバート・E・ホガブーム
 リロイ・P・ハント
 バーノン・E・メギー
 アルフレッド・H・ノーブル
 エドウィン・A・ポロック
 レイ・A・ロビンソン
 クリスチアン・F・シルト
 ハリー・シュミット
 ホランド・M・スミス
 オリバー・P・スミス
 ジェラルド・C・トーマス
 アレン・H・トーネージ
 メリル・B・トワイニング

注)1947年1月23日に亡くなったロイ・S・ガイガー中将は、議会によって、その死去日を持って大将への昇進が認められました。
第29代海兵隊司令官アルフレッド・グレイ大将と名誉勲章受章者でもあるクリスチアン・シルト大将は、一志願兵からの叩き上げです。


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