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道路事情
道路事情
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小型車全盛のイメージだったが、ミラノでは思っていた以上に大型車も多い。
小型車が便利だから皆小型車を選んでいるのかとおもいきや、実際は金銭問題のようだ。
将来的には大型のドイツ製高級車に載りたい、などと考えているようだ。
ほとんどがマニュアル車で、オートマ車は見かけることが出来ない。
おそらく9割以上がマニュアル車だ。メルセデスでさえマニュアル車である。
逆の走行車線、左ハンドル、狭い道路、マナーの悪い運転、それに加ええてマニュアル仕様。
オートマ車しか乗ったことがない駐在員は、最初、かなり苦労することになる。
なぜイタリア人はマニュアルを選ぶのか。
操作する感覚が好きだから、と言う答えが返ってくる。
納得できない。
僕の分析では、おそらく、マニュアル車の方が安いから、というのが本当の理由だと思う。
そのくせ、マニュアルの優位性とか語ってくる。オートマに乗ったことも無いくせに。
僕はこの話になると、一度オートマ車に乗ってみろ、と言う。
そして、俺は両方乗って話をしているんだよ、と。
こういうところでも、新しい物や便利なものに価値観を見出せない習性を感じる。
イタリア人の保守性だ。
いや、ただ単に、日本人が新し物好きなだけかもしれない。
しかし、そのおかげで日本は、とても便利な社会を築けたのではないか、
反対に、イタリアはいつまでたっても何か不便で何か矛盾した社会のままなのではないか、
なんて考えてしまう。
まあ、日本の便利すぎる社会は他の問題を生み出していることは否めないが。
どちらが正解かはまだ僕の中でも結論がでない。
話をもどそう。
車の色は、白が人気の日本に対し、イタリアではシルバーが人気。
車 = 機械 = シルバー
という思考回路とのことだ。
日本車もがんばっているが、韓国車が結構多いのには驚いた。
そういえば、僕にぶつかってきたのも韓国車だった。
(イタリアではたとえ歩道の上でも車に注意!)
南にいくほど交通マナーはひどいと言われている。
ナポリでは、信号はあくまで目安で、交通がなければ無視が普通、キッチリ守ると逆に危ない、と聞いている。
ボケーっと赤信号を待っていると、クラクションをならされるとか。
ミラノは比較的良いらしいが、それでも、(例えが悪いが)大阪よりひどい、と大阪出身の人が言っていたのを覚えている。
これは僕の考察だが、運転マナーが悪くなる原因の一つに、車線が引いてないことが上げられると思う。
市内には、2〜3車線分の道幅があるにもかかわらず、まったく車線がないところが多い。
そのためか、車線を守るという感覚が養われず、車線のある道でも、左右どちらかに寄っていたり、平気でまたがって走ったりしている。
(まあ、車線があってもイタリア人にその感覚を求めるのは不可能かもしれないが...。)
とにかく、周りのドライバーから、車線の幅に沿って走る、という意識が全くもって感じ取れない。
だから、日本のように、この車線の中央を走っていれば大丈夫、という安心感がない。
普通の(車線のない)道はもうめちゃくちゃで、ぬきつぬかれつ、まるでサーキットのようになる。
どこでも好きなところを走れるということは、他の車にぶつけないように、またぶつけられないように、さらなる配慮が必要になるのは当然。
単に余計なストレスである。
前後左右斜め前斜め後ろ、周りの全てのドライバーの行動を予測しながら走るのだ。
車線という感覚がないので、周りの車の位置がとてもアナログである。
「この幅なら2車線分だな。このあたりを走れば、隣一台分空けられるな。」
なんて考えながら、イタリア人は走っていない。
しているつもりかもしれないが、出来ていない。
それどころか、
「もう少し、あと30cm左に寄ってくれたら、もう一台並んで走れるのに...」
「そこに突っ込んだら、余計遅くなるだろ!」
なんてことがしょっちゅうだ。
このアナログな車の位置は信号待ちでもよく見られる。
信号付近にはさすがに車線が書かれていることも多いのだが、右折専用レーンにはみ出した状態で停止し、クラクションのオーケストラが始まることが良くある。
あーまたか、とあきれる。
一番腹が立つのは、渋滞時の交差点の状況。
「青信号でも、前が詰まっている場合は、交差点内に進入しない」
これは日本の常識。
こちらでは、信号が青なら、渋滞でも交差点内に突っ込んでいき、前に詰めてしまう。
こうなると、信号切り替わり後、別の方向からの車はブロックされてしまい、進めない。
当たり前だ。当然だ
すると、
「こうなりゃこっちだって」
って感じで、その車も無理に突っ込んでいき、また信号が切り替わった後、別方向をブロック...。
こんな悪循環を繰り返すのだ。で、またクラクションのオーケストラが始まる。
バカみたい。
クラクションをならされても、ブロックしている本人はまったく悪びれることもなく、
「渋滞だからしょうがないだろ、俺のせいじゃない」
という態度だ。
ホント、バカだ。
イタリア人は運転がうまい、と誰かが言っていたが、
”サーキットではうまくても一般道路では初心者ドライバー以下だ”
と常々思う。
こんな状況なので、会社から車の支給を受け運転し始めた頃は、真剣に返そうかと思っていた。
が、今では、十分慣れてしまっている。良いのか悪いのか...。
日本に帰った後の自分の運転が今からすこし怖い。
とにかく、人間の順応力はすごい、と自分自身驚いている。
横断歩道のないところで道路を横切る歩行者が多いのに驚く。歩行者のマナーもドライバー並だ。
少し信じられないのは、道路を横切る歩行者がのんびり歩いているということ。
日本人なら駆け足のような場面でも、何食わぬ顔でゆっくり歩いている。
ブレーキを踏まなければ、轢いてしまう状態だ。
自転車も道路側を走る。基本的に歩道で乗ることは禁止。
当然、自転車用のラインなどない。
想像して欲しい。自転車、バイク、まで道路に参加した状態を。
そして、二重縦列駐車等、マナーのない路上駐車。
さらには、突然襲ってくる歩行者...。
市内は駐車場不足で、路上駐車は当然であり、多くの道で合法的に(?)路上駐車を認められている。
道に路上駐車の車がびっしり並んだ写真を見たことはないだろうか。あれである。
ちなみに我が家の前の道は駐車禁止のエリアだが朝から夜までびっしり路上駐車車両が詰まっている。
僕も見習って、そこに押し込んでいる。違法だが...。
最近は少し慣れてきたが、駐車場所を探すことにかなりのストレスを感じる。
なぜ、駐車ごときにこうも一喜一憂しなければならないのか!
空きを探すのに家の周りをぐるぐるぐるぐる...20分30分かかることもある。
家を借りる場合は駐車場付きを強くお勧めする。
駐車時、車同士の軽い接触は当たり前のことである。
これは日本の事情しか知らない人にはかなり衝撃的なことと思うが、欧州では珍しいことではなく、話に聞いたことのある人も多いと思う。
以下、僕の見た一番すごいシーンとして例をあげておく。
一台のベンツがどう見ても十分でないスペースに縦列駐車を試みていた。
後ろに駐車されていたのは小型のフィアットプント。
駐車が無理なのは入れ始めてすぐに気が付いたようだが、そのベンツはあきらめなかった。
バンパーが接触しているにもかかわらずさらに後進するではないか!
そのフィアットは、ギアを入れて駐車されているので簡単には動かない。
そんな障害にもものともせず、そのベンツは見事にねじ込んだ。
思わず拍手してしまった。
当然のことながら、その二つの車は接触したまま。
しかも、かなりの抗力をその接触部分に見て取れた。
高速道路はとても整備されていて、しかも安い。なので、遠出をするときも、皆、車を使う。
でも、イタリア的車線無視運転はここでも十分に発揮されており、あきれてしまう。
高速ぐらいまともに車線に入れられないのか!
僕はいろんな意味で車を運転するのが嫌なので、遠出にはなるべく電車を使いたいのだが、会社の連中はとても不思議がる。
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