3.音楽によせて -音楽室
かつて在ったものはそれ自身が踏み越えられる事によって、新しい何かを生み出す大地となる。そして、今在るものはすでに自らが大地となるべく理に、未だ来たらざる次代を遠く想い馳せる。
当音楽室においては、かつてのヨーロッパの古典的・伝統的音楽体系に取って代わり、いわゆる現代音楽へと通づる流れを形作った、その源流とも言うべきいくつかの作曲技法、あるいはそこから展開され、またさらにはそれをひとつの足がかりとしてそれを踏み越え、新しい意味を担いつつ派生してきた作曲法と、それらを基礎付ける思考や概念などに焦点を当てて、そのような現代音楽系の音楽語法を随時、ここに紹介してみたいと思う。
<音楽によせて - 音楽室・目次> |
予備知識編/音程 ・音列構造の理解の一助として ・度数、音程における完全・長・短等の種類、他 2003.8.24 音楽室(1) 12音技法=”相互の間でのみ関係付けられた12の音による作曲技法”・第1回 ・概略、音列の諸形態、用法上の通則1、他 2003.3.25/2003.7.18 一部改訂 音楽室(2) 12音技法=”相互の間でのみ関係付けられた12の音による作曲技法”・第2回 ・用法上の通則2 2003.7.15 音楽室(3) 12音技法=”相互の間でのみ関係付けられた12の音による作曲技法”・第3回 ・音列の内部構成、(シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルンの音列を参考に) 2003.7.21/2003.7.27 補完 音楽室(4) 12音技法=”相互の間でのみ関係付けられた12の音による作曲技法”・第4回 ・ローテーション、置換操作、総音程音列、他 2003.8.5 音楽室(5) 12音技法=”相互の間でのみ関係付けられた12の音による作曲技法”・第5回 ・次世代への萌芽/ヴェーベルンの試み 2003.8.10 音楽室(6) 12音技法=”相互の間でのみ関係付けられた12の音による作曲技法”・第6回 ・ハウアーにおける音列の分析 2003.8.21 音楽室(7) O・メシアンの旋法(モード)、そしてセリエルな作曲にむけての発端 ・旋法、音価・強度・アタック・音高のモード化 2003.9.3 音楽室(8) 全面的セリ−主義音楽=トータル・セリエリスム 第1回 ・モードからセリ−へ/実習例T/実習例U 2003.9.14 音楽室(9) 全面的セリ−主義音楽=トータル・セリエリスム 第2回 ・ブーレーズにおけるセリエルな手法/セリ−それ自体の多層化 2003.9.18 音楽室(10) 全面的セリ−主義音楽=トータル・セリエリスム 第3回 以下、随時掲載。 |
尚、当音楽室における音名表記は、その全てをドイツ式表記で表すものとする。よくあるイギリス・アメリカ式表記との対応は下記のとおり。
音名表記に関するお約束 | |||||||||||||||||
英米式 | C | C# | Db | D | D# | Eb | E | F | F# | Gb | G | G# | Ab | A | A# | Bb | B |
ドイツ式 | C | Cis | Des | D | Dis | Es | E | F | Fis | Ges | G | Gis | As | A | Ais | B | H |
読み方 | ツェー | ツィス | デス | デー | ディス | エス | エー | エフ | フィス | ゲス | ゲー | ギス | アス | アー | アイス | ベー | ハー |