寺尾の秋葉社は、
伊賀良神社へ向かう道から分かれて少し左へ下りた所にある。境内には寺尾地区の集会所(寺尾研修センター)がある。
今回訪れた際には、ちょうど覆屋の改修中のようで、本殿はブルーシートで覆われていた。
創建の由緒を示す資料はないが、江戸時代後期(天保・弘化/1830〜1847頃)に、当地の
園原直作が勧請したといわれる。直作は、
幕府の免許を受けて
火薬調合を行った人で、守護神として
迦具土神(火の神)を祀ったのである。
この頃は、
秋葉信仰が盛んになり、村ごとに秋葉大権現の石碑を建立しているが、社祠として祭祀したのは阿智村ではここだけである。
正面右手に、蚕玉大神(明治44年)、甲子(弘化5年)、金毘羅大権現(文政6年)などの石碑が並んでいるが、蚕玉様の後ろに2本の
御柱が立っていた。これは、祭神に
建御名方命を合祀している事によるのだろう。
また、
住吉神は
神坂神社の祭神である海の神だが、園原地区からこの地に移り住んだといわれる園原氏に関係するのだろう。
(参考)→ 『阿智村誌』 下巻 p.743