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 金勝堂(伊那秩父第4番札所)

    所在地(江戸時代の村名):阿智村伍和下郷(向関村)      
<御詠歌>
 朝夕をたすけ給へと向関
  仏はかげのへだてなければ

 
 現在の下郷林業集会施設(集会所)の位置にあったお堂で、由緒等は明らかでない。
 『下伊奈郡案内道中記』によると、本尊は千手観音、堂は卯辰(東南東)向きであったという。

 集会所2階に安置されている仏像は、石造千手観世音(天保13年)、木造漆箔聖観世音、石造聖観世音、馬鳴(めみょう)菩薩(蚕玉神)、弘法大師座像などで、石造千手観世音以外は銘文がない。
 このうち、千手観世音は札所設定より後年の造立であり、もう一体の石造聖観世音に古色が見られるため、この方が札所設定当初の本尊ではないかと思われる。
 また、弘法大師座像八幡院のものであり、他にも射矢堂松栄堂の持仏が混在しているかもしれない。この3つの札所は現存しない。

 境内を旧県道が通ったため、無縫塔4基、庚申塔(青面金剛童子)、回国供養塔、観音石仏等は、県道を隔てた場所にまとめられて並んでいる。石仏等の間の道は、下条へ通じる古い街道である。

 → 『阿智村誌』 下巻 p.789
 
現金勝堂(下郷集会所)
古道の両側の石仏類
 撮影・取材 2004.09.12