作曲小屋にて 2002/10

　さて、ここで私が日頃音楽創作をするところの劣悪なる環境，すなわち作曲小屋と現在使用している楽器、そして創作に関わる機材等をあわせて公開するのも一興かと思い、これらの我が意の思うにまかせぬ創作環境を、肩の力を抜きつつ紹介してみたいと思う。


作曲小屋の事

　まずは私が創作活動の拠点とする”作曲小屋”を紹介しなければならないであろう。これは昼夜を問わず精神的に集中することが出来る環境をと思い、設計から建築に至るまで全て自力で進め、約１年の建築期間を経て完成したものである（1998年・冬）。しかし、より正確にいえば未だ完成はしていない。理由は私個人の財政難による・・・。作曲小屋というとおり、まさに小屋である。

　上の画像がその内部(一部）の様子であるが、私が有効に使える空間はかなり限られており、窮屈とまでは言わないけれどもそれなりに狭くは感じる。しかしながら、その狭さにおいて創作作業に支障をきたす事があるという訳でもないので、当面はこのままの環境で良いだろうと思う。まさに集中できる事こそが大事である。実空間は小さいけれども、この場より広がる内的音楽空間の可能性はその果てを知らぬかのようである。

　ちなみに私の作曲小屋は、屋根の一部を移動して天窓として機能するような設計になっている。そして、そこから望む夜明け前のひととき。冴えわたる大気、はるかに見る東天の月、瞬く星々のたたずまいのなんと厳粛にして荘厳なる事か。普段、慣れ親しんでいる私の時間はゆっくりと凍結に向かう。そんな時、私は思わずにはいられないのだ。すなわち、自分自身が今ここにいて、しかもこのような者としての在り方をしつつ、未だ知られざる世界の深遠に想いをはせる事が出来るという事実の不思議さを。

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