「山下りん」について

絵を描くことの好きだった 山下りんは、15歳で浮世絵師、日本画家、洋画家と、修行先を転々とし、 明治11年に工部美術学校の同級生の導きで、ハリストス正教会に入信し、ロシアから来日していた大主教ニコライによって洗礼を受け、 洗礼名は『イリナ』と授けられました。

山下りんは明治時代に、洋画を学ぶため、初めて海を渡った女性です。

そして、ロシアの修道院で聖画像・イコンを描写しましたが、聖画像・イコンは本来、教会の祭壇や壁に掲げられ、 その美しさを味わうためではなく、修道院が望んだのは、信仰の対象としての聖画像・イコンをいかに模写するかでした。

しかし、当時の山下りんの日記には、芸術に素人の修道女から自分の絵を治された屈辱と、指導者に対する敬意が足りないと、 叱責された事が書かれていて、聖画像・イコンを描くことに喜びを感じなくなった山下りんは、5年の留学予定をわずか1年半で切り上げて、 ロシアを後にし、帰国後7年間は、聖画像・イコンを描きませんでした。

聖画像・イコン画家ではなく、ワインのビンに貼るラベルをデザインするなど、一人の洋画家として生きようと 懸命に人生を模索していましたが、「日本に住む、日本人のための聖画像・イコンを描きなさい。」というニコライの一言に後押しされて、 山下りんは日本各地に建てられる新しいハリストス教会のために、次々と精力的に聖画像・イコンを描き続けました。

『ウラディミルの聖母』は、山下りん44歳の時の作品で、優しく慈愛に満ち溢れた聖母マリアの表情は、多くの苦難をくぐり抜けた山下りんが、 祈りを通して辿り着いた安らぎから描かれています。

何が山下りんを変えたのかは、分かっておりませんが、絵を愛し主(イエス様)と共に歩んだことは、間違いありませんね。

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