「人にはたくさんの土地がいるか」について

『人にはたくさんの土地がいるか』の主人公のお百姓さんパホームさんは、生活が楽になるようにと思い、 苦労しながら自分の土地を増やして行き、裕福になりました。
しかし、パホームさんは、もっと裕福になりたいと、欲が出てきました。

パホームさんは、「パシキール人たちの土地は、1,000ルーブルを払えば、 早朝から日が沈むまでの時間内に、元の出発点へ帰ってくれば、回った分の土地は自分の物になる」と聞き、 パシキール人と所有権の確認の約束をして、前日はあまり睡眠も取らずに、 翌朝元気良く出発して行きました。

その土地は、とても良い土地でしたので、パホームさんは、どんどんと進み、 必要な場所に目印をつけて行きました。
先へ行けば行くほど、良い土地が広がっていましたので、先へ先へと進み続けました。
後ろを振り向くと、元の出発点の丘が、かすかに見える所で目印をし、間左に曲がりました。
お昼が過ぎて、疲れて来たので一休みをしてから、また先へ進んで行きました。
途中で眠気も襲ってきましたが、「一時間の辛抱が、一生の得になる」と考えて、先へ進んで行きました。

ずいぶん歩いたので、そろそろ左へ曲がろうと思いましたが、しっとり湿った窪地を見つけ、 「麻を作ったら良くできるだろうなあ」と見捨てるのが惜しくなり、進み続けました。
しっとり湿った窪地を取りこみ、目印をして2度目の左回転をしました。

出発点の丘を見ましたが、暑さのためにかすんでいました。
「さて、こっちはだいぶ長く取ったから、今度は短くしてはおかなければ」と考え、 目印をして、3度目の転回をし真っすぐに、元の出発点の丘を目指して進みました。

体は、汗だらけになり、だんだん苦しくなって来ましたが、一息入れたくても、 日が沈むまでの時間内に、元の出発点の丘に戻らなければ、土地は自分の物にはなりません。
パホームさんは、苦しいけれど、いそいで帰りましたが、 行けども行けども元の出発点の丘は、遠くにありました。

「ああ、しくじったんじゃないかな?欲張りすぎたんじゃないかな? 間に合わなかったらどうしよう?もうなにもかもおしまいだ! これだけかけまわったあげく、止まったりしては、それこそ馬鹿だと笑われる!」と思いましたが、 倒れないよう、一生懸命に体を前かがみにして、ひた走りに走って行きました。

とうとう丘の近くまでやって来ましたが、暗くなってしまいました。
「ああ、だめだったか!」と一瞬思いましたが、丘の上は、まだ日が沈んでいないことに気づき、 最後の力を振り絞って、丘の上にかけ上がり、前のめりに倒れこみました。

パシキール人の村長さんが「いやあ、えらい!地面をわがものになさった。」と叫びました。
しかし、パホームさんは、もう息が絶えていました。
そして、パホームさんは、きっかり足から頭まではいる長さの土地(墓の中)に埋葬されました。


トルストイは、この物語を通して、「あまり欲張りすぎると、パホームさんのようになるから、 気をつけましょうね!」と、語りかけているのではないでしょうか?
新約聖書:マタイによる福音書7章13〜14節には、「狭い門からはいりなさい。滅びに至る門は 大きく、その道は広いからです。そして、そこからはいって行く者が多いのです。
いのちに至る門は小さく、その道は狭く、それを見いだす者はまれです。」と書かれています。

イエス様を求めてまいりましょう!!

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