「心のリボン」について

笠原 誠さんは、校長になって初めての新潟県村上市の山辺里小学校長に着任し、 「失敗があってはいけない」と、挨拶は常に下書きを用意したそうです。

着任から間もなく開かれた春の運動会の開会と閉会の挨拶は、特に念入りに準備をし、 開会の挨拶は原稿どおりに済ませ、閉会式の時の事です。

台に上った笠原さんは、生徒を見渡しました。
すると、入賞した子どもの胸に付いているリボンが目に入りました。
1等は青、2等は黄、3等は赤。
一人で3つも胸に付けている子もいます。
でも一番多いのは、何も付けていない子どもたちでした。

リボンのない子をじっと見つめていると、笠原さんの頭から、用意していた挨拶文が消えてしまいました。
代わって、心の奥から沸いてくる言葉を口にしていました。
「リボンを3つ、胸に付けている人は手をあげなさい。 はい、この人たちは大変頑張りました。  その場所にしゃがみなさい。」
「リボンを2つ付けている人は手をあげなさい。 次に頑張った人たちです。 しゃがみなさい」。
拍手をしながら、父母たちは「リボンのない子だけが残るのではないか?」と、心配になったそうです。

しかし、笠原さんは続けました。
「次に、リボンを1つ付けている人は手をあげなさい。 この人たちも頑張りました。 しゃがみなさい。」
リボンを付けている子はみなしゃがみました。
立っているのはリボンのない子だけです。
じっと校長先生を見つめています。

笠原さんは声に力を入れました。
「残った人たちは一生懸命やったけれど、もうちょっとのところでリボンがもらえなかった人たちです。  頑張ったことをほめて、校長先生が『心のリボン』をあげます。 さあ投げますから、しっかり受け取って胸に付けるんですよ!」

笠原さんが大きなモーションでリボンを生徒に投げる動作をした、その瞬間です。
立っていた子どもたちが一斉に手を天に伸ばし、飛び上がり、目には見えない空中のリボンをつかむ動作を すると、大切そうに胸に付けたのでした。

父母の間から、ひときわ大きな拍手があがったそうです。

「本当に大切なものは目に見えないんだよ。」という、サン・テグジュペリの名作「星の王子さま」の言葉を 思い出しますね。

空いっぱいに手を広げた子どもたちは、笠原さんが渡そうとした目に見えない本当に大切なものを、 しっかりとつかみ取ったはずです。

私たちも、主(イエス様)から『心のリボン』をプレゼントされている事を信じて、主を崇めましょうね。

ライン

リストマーク 1.「キリスト教」
よく質問をされたり、私的に感じている事を書いてみました。
リストマーク
2.「東京都北区にある十条の街」
自信を持って紹介できる「十条の街」をセレクトしました。
リストマーク
3.「ニュース・リリース」
随時新しい「ニュース」をお知らせします。
リストマーク
4.「お薦めしたい本」
ぜひお読みいただきたい本です。
リストマーク
5.「聖書のことば」
誰でも、理解できるように書いてみました。