「牽牛花」について

昔、金牛山の麓に薪を拾って暮らす姉と妹がいました。
ある日姉妹は山の洞窟のそばで銀のラッパを拾いました。

「誰が落としたのかしら」と話していると、洞窟から老人が現れて 「これは心の優しいお前たちに、わしが上げる宝物だよ。 真夜中この洞窟に向かって吹いてごらん。 洞窟の岩が開いて中に100頭の金でできた牛の像がある。 それをみんなお前たちに上げよう。 だがラッパを二度吹いてはいけない。 二度吹くと金の牛は生きた牛になって金の値打ちはなくなってしまう。 そして、夜が明ける前に洞窟から出なければいけない。 夜が明けると洞窟の岩が閉まって出られなくなるからね。」と、 言って姿を消しました。

姉は「その100頭の金の牛をみんな貧しい村の人に分けて上げよう。」と、言いました。
でも、妹は「村の人がみんな欲しがっているのは田畑を耕す働く牛よ、金の牛は何の役にもたたないわ。」と言いました。
姉は妹の言う通りだと思いました。

姉妹は村人たちに真夜中になったら牛の鼻輪を持って、山の上の洞窟に来るように言いました。
そして姉妹も夕方から山に登って夜を待ちました。

真夜中になって妹はラッパを吹くと、洞窟の岩が開いてあたりが金色に輝きました。
見ると100頭の金の牛の像が並んでいます。
妹が二度目のラッパを吹くと、金の牛の像は生きた牛に変わって、ゆっくり歩き始めました。

けれども洞窟の開いた岩は狭く、やっと1頭の牛が出られる広さしかありません。
これでは夜明けまでに100頭の牛をみんな出せないと思った姉妹は急いで洞窟の中へ入り、1頭1頭牛を押し出し、 とうとう99頭まで押し出し、最後の力を振り絞って100頭目の牛を洞窟の外に押し出しました。
村人は最後の牛に鼻輪をつけて引っ張りました。
牛が痛がって「モオー」と言って洞窟から転がり出ました。

その時、夜が明けて洞窟の岩は音をたてて閉まり、姉妹は洞窟の中に閉じ込められてしまいました。
やがて太陽が昇ると洞窟の中の銀のラッパはラッパの形をした鮮やかな花に変わりました。

それからこのラッパの形をした花は毎日、朝の太陽の光をうけて開くようになりました。
村人たちは姉妹を偲んでこの花を“牛を牽く花”と呼びました。
(中国民間文学集成遼寧巻沈陽市巻中)


  『朝顔』の種子(タネ)は「牽牛子」(けんごし)と呼ばれる生薬で、中国の古医書「名医別録」では、 牛を牽いて行き交換の謝礼したことが名前の由来とされていて、『朝顔』は夏ではなく秋の季語で・・・・・ これもご存知の方は、物知りですね・・・・・。

麓に薪を拾って暮らした姉と妹のお話は、新約聖書:マルコの福音書12章31節 『あなたの隣人をあなた自分のように愛せよ。』を思い出しますね。

『朝顔(牽牛花)』を見るたびに、神様から頂いた宝物は、独り占めにするのではなく、一番良い方法で、 一番必要なものは何かをイエス様に祈りつつ、歩んで行きたいですね。

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