「長子の権利」について

エサウとヤコブは、父イサクと母リベカを親に持つ双子の兄弟でした。
兄のエサウは巧みな猟師で野の人となり、弟のヤコブは、穏やかな人となり天幕に住んでいました。
父のイサクはエサウを愛していましたが、母のリベカは弟のヤコブを愛していました。
日本では、遺産について兄弟の取り分は均等とされ、一般的に家は長男が継ぐようですが、 イサクの時代には、すべては長男のものでしたので、父のイサクも、長男のエサウを跡取りとして かわいがっていました。
しかし、母のリベカは、弟のヤコブに継がせようと思い、父のイサクが年をとり視力が衰えて よく見えなくなったときに、弟のヤコブを兄のエサウに成りすまさせ、父からの祝福を奪ってしまったのです。

兄のエサウは弟のヤコブを恨み、殺す計画を立てたので、それを知った母のリベカは、 弟のヤコブを叔父のラバンのところへ逃がしました。
叔父のラバンの土地に着くと井戸があり、そこへ叔父のラバンの娘であるラケルが、 羊に水を飲ませにやって来ました。
これが二人の最初の出会いであり、後にラケルはヤコブと結婚をします。
弟のヤコブは20年間、叔父のラバンのもとに滞在し、父のイサクの土地へ帰還したときには、 兄のエサウの怒りも冷めており、兄弟は再び仲直りをしました。
どう見ても、弟のヤコブが悪者で、兄のエサウは何も悪くないように思われますが、 実は、旧約聖書の創世記25章29〜34節に、このような出来事があったのです。

さて、ヤコブが煮物を煮ているとき、エサウが飢え疲れて野から帰ってきた。
エサウは、ヤコブに言った。「どうか、その赤いのを、そこの赤い物を私に食べさせてくれ。私は飢え疲れて いるのだから。」それゆえ、彼の名はエドムと呼ばれた。
するとヤコブは、「今すぐ、あなたの長子の権利を私に売りなさい。」と言った。
エサウは、「見てくれ。死にそうなのだ。長子の権利など、今の私に何になろう。」と言った。
それでヤコブは、「まず、私に誓いなさい。」と言ったので、エサウはヤコブに誓った。こうして彼の長子の 権利をヤコブに売った。
ヤコブはエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えたので、エサウは食べたり、飲んだりして、立ち去った。
こうして、エサウは長子の権利を軽蔑したのである。

このように兄のエサウは、飢え乾いて帰って来ると、弟のヤコブが作った鍋の中身を見て、 「ああ、死なずにすむ!」という思いだったのでしょうね。
そして、兄のエサウは、弟のヤコブにつけこまれて、「長子の権利」を「パンとレンズ豆の煮物」と 交換してしまったのです。
聖書には、「こうして、エサウは長子の権利を軽蔑したのである。」とだけコメントしています。
それほど「長子の権利」とは重いものだったのですね。

私たちの目には、どんなに小さく見える(思える)ような、神様から与えられている恵みを、 決して軽んじる事無く、感謝して受け取ってまいりましょう。

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