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 崇敬山常念寺(伊那坂東16番/浄久寺末寺)

    所在地(江戸時代の村名):阿智村智里(小野川村)       
<御詠歌>
 つつしみもあれば利生は常念寺
 十一面の誓ひたのもし


 蓮門精舎旧詞によると、当初は観音堂であったが、寛文4年(1664)に初めて常念寺という寺号を用いるようになった。
 その時の開山は、覚誉観的和尚であるが、終生を常念寺で過ごした訳ではなく、寂年等は不明であるという。

 嘉永4年(1851)刊行の下伊奈郡案内道中記によると、本尊は薬師如来、当札所の観音様は十一面観世音としている。
 安置されている仏像は、薬師如来2体、十一面観世音2体、不動明王石像1体、金銅像(孔子像か?)1体、三十三観音像等と数が多い。同じ小野川村にあった伊那秩父第9番札所観楽寺の仏像が、常念寺の仏像と同居しているらしい。
 木造漆箔の十一面観世音1体は入母屋造りの宮殿内にあるが、他は簡素な厨子に納められている。もう1体の十一面観世音は異形の石仏であるという。

 尚、常念寺は現在の智里東保育園(旧小野川小学校)の敷地にあったが、明治36年(1903)に小学校の校地拡張に伴い道路を挟んだ現在地に移転した。
 現在無住の堂内は、床が抜けるなどかなり傷んでいると聞く。文化財として仏像の管理が急がれると思う。
 尚、明和4年(1767)在銘の喚鐘が戦時供出を免れて、阿智第3小学校(旧智里東小学校)に保管されている。
 (2004.5.30 撮影)

 (参考)
→ 『阿智村誌』 下巻 p.781
→ 『探史の足あと』 p.65 廃寺の秘仏
→ 『愛郷探史録』
     p.222 小野川八十戸の寺がえ
草むす 常念寺
札所を示す木の柱