園原の女夫杉

 園原の神坂神社には巨大な杉の木があります。今では拝殿の向かって右にあるもの一本ですが、昔は左右に一本ずつあったのです。

 下図は園原の熊谷秀二氏所蔵の寄せ書き帳「木賊刈」にある即興の水墨画で、園原へ尋ねて来た文人が描き残したものです。

 「雉子啼くや夕日床しき二本杉 済鳥」

の一句ですが、絵は別人の筆らしく、署名はあるが読めません。

 この絵は弘化初年(1844頃)頃描かれたものですが、その15年後、万延元年に来訪した松本藩士藤井方宣の「その原紀行」には、

「住吉社一宇(縁起不詳)社頭に杉の大樹二株あり、俗に女夫杉と云ふ。夫杉大さ凡そ六抱あまり、長さ二十丈ばかり。女杉五抱不足にて十九丈ばかりと云ふ。」

と記されています。 (S63・2)

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