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Inside Farming Vol.59 (Japanese)



2000年のインターネットはメール殺到!

 あっという間に2000年は過ぎてしまった。忘れないうちに例年どおり(1997年前半1997年後半1998年1999年)園主が見た2000年のインターネットを振り返ってみよう。

 河合果樹園的には、インターネットで「ショッピング・モールに出店!」と「減農薬林檎ジュース通年販売」などが昨年のトピックとなるはずであったが、再三ご報告のとおり「7月にゴルフボール大の雹が降って林檎が全滅」という大事件によって全てが頓挫するという結果になってしまった。さすがに全滅のショックは大きく、(--実は--このページは農業の素晴らしさやライフスタイルを皆さんに知ってもらうという壮大な目的の為に運営しているのだが--大げさですみません--)ページの更新も2ヶ月以上休んでしまったという反省すべき一年でもあった。
 インターネットとは直接関係ないが、自分が天災の直撃を受けてみると、「有珠山の噴火」、「三宅島の噴火」等の2000年にあった天災の被害に遭われた方々の心痛を想わずにはいられない。特に「三宅島」の方々は住みなれた土地を離れて、仕事も探し、家族も別々に暮らしている、などと聞くと、政府はもっとなんとかしてやってくれ!という気持ちになる。人災である放漫経営のツケを公的資金導入によって穴埋めするより、自然災害の被害者に手厚い資金援助をしてあげて欲しい!と想うのは私だけではなかろう。

 話をインターネットに戻そう。私が感じた2000年のインターネットを表すキーワードは「抗議メール殺到」である(河合果樹園あての抗議メールではありませんよ、念のため)。

 それは、例えばシドニーオリンピックで、柔道の篠原選手の「内股すかし」を見きれなかった審判に対する日本からの抗議メールに代表される。メールのあて先は、どこで調べたのか審判本人だったり、国際柔道委員会だったりしたようだ。その審判は脅迫まがいの大量のメールに怯え、自宅から避難したとTVで伝えられていた。
 その後は長野県の新知事の名刺を折り曲げた県職員や、具体性を欠いた文句を言った農政部長に対する抗議メールや電話、FAXが長野県庁に殺到したり、今度は県議会が始まると「新知事をイジメているように見える」という理由で長野県議会最大会派あてに抗議メールや電話・FAXが殺到したと県内のローカルTVニュースで取り上げられていた。
 年末には「いよいよ森政権も終焉か!」と国民の感心をおもいっきり集めながら結果を出せなかった自民党の政治家加藤弘一氏宛ての”応援”メールが1週間で25000通以上(氏のページによると)寄せられたという(内容は抗議かどうかは知らないが)。
 報道はされなかったが、下痢患者を出した大手乳製品メーカー、リコール隠し自動車メーカーへ寄せられたメールも相当の数であっただろうことは想像に硬くない。

 インターネットの家庭への普及とiモードの普及が、”抗議”というエネルギーを使う行為を、”メールで抗議”というお手軽なものに変化させたという事かもしれない。または、今まで無かった、公人、行政、企業など社会的責任を担う者たちへ一般の人が直接意見を伝える手段が出来た結果ということかもしれない。
 これって、たぶん、かなり良いことなんだろう。だけど、なんだかちょっと怖い感じ。そう感じるのは、まだ、メールというメディアが成熟していないために”ある種の群集心理”が働きやすい状況にあるのせいなのかな?

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