第9回

初めて研修会に参加!
 行政書士登録して何もせぬまま”アッ”という間に半年が過ぎてしまった。登録当初は、農業を経済活動の中心にしながら、生活にまつわる法律的な問題や農地法関連の問題などを農業の立場からアドバイスできるような行政書士になりたいものだと、漠然とした目的を持っていた。そのために農地法などを地道にコツコツ勉強しようなどとのん気な計画も考えていた。

 しかし昨年、雹の被害で果樹園の林檎が全滅し、経済的に窮地に陥り、弁理士事務所にご厄介になるという事態になるに至り、結果的に積極的な行政書士活動は小休止となってしまった。さらに同じ法律分野であっても、弁理士事務所での仕事のために工業所有権各法の勉強ばかりしていて、農地法や戸籍法、入管法などほとんど触れる事のない日々を過ごしていた(但し、民法の損害賠償請求権などは特許侵害の損害賠償請求権と内容を対比したり、民事訴訟法とか行政不服審査法では、特許査定に対する審判の請求など、行政処分に対する不服申立などを比較しながら理解を深める部分であり、それぞれの勉強はお互いに役に立つものであるようだ。当たり前だが)。
 
 そんな、ちょっと行政書士から離れつつあった私の生活に、「新登録者必須研修会」の知らせは届いた。参加をどうしようか少しだけ悩んだが「必須」という言葉に誘われて、1泊2日の研修会に参加した。

 研修は丸1日と翌日の午前中、まさに”みっちり”と行われた。行政書士の代表的な業務分野である「自動車保管場所証明申請関係」「建築業」「外国人在留」「農地法許可申請」「相続相談」のほか「インターネット申請」など、実務に即した講義が行われた。さすがに第1線行政書士の皆さん、しかもそれぞれが講義する分野を業務の中心とされているエキスパートの皆さんによる講義には強烈な迫力があった。巷で囁かれる「行政書士だけでは食べていけない」という風聞がいかに当てにならないものかを目の当たりにした。同時に、行政書士で成功されている方々の法律知識の深さ、そのレベルに至るまでの日々の努力にも、とにかく感心させられた。
 宿泊の夜には懇親会も設けられ、そこでまた先輩諸氏の、「生」の話をお聞きすることができた。今はバリバリ事務所を運営されている方でも、開業2、3年はバイトで生活費を稼いでいたという話や、未経験の業務の受託の方法、営業場所など、やはり「生」でなければ聞くことができない有意義な話が沢山あった。

 この2日間の研修の場において講師として登場した全ての先輩行政書士の皆さんは、私が漠然と描いていた行政書士像を遥かに超えるほど、精力的で活動的で、実務と法律に精通し、生き生きとしていた。

行政書士もなかなか凄い!と感じる事ができた、素晴らしい研修会だった。(2001/1/28)


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