第8回

ついに登録、開業へ!
 早いもので合格通知を受け取ってから1年半が過ぎようとしている。この間に勉強して仕入れた知識は土地建物取引関係の都市計画法や農地法のアウトラインくらいであろうか。それでも農地転用、建設業許可申請など、実際に先輩行政書士が作成した書類を何件か見るチャンスがあったり、IGK(前回の行政書士の卵参照)の業務関連メーリングリストに参加したことは、ある程度開業準備らしきものになったと思う。しかし、それ以上は具体的なものが何も見えてこない"もんもん"とした日は続いていた。

 「いっそ開業してしまえ!」と思ったのは、昨年度平成11年度の試験結果をなにげなく見た瞬間だった。私が受けた平成10年試験の長野県の合格者は23人(合格率5%)、それが平成11年にはなんと8人(1.8%)!。これほどの難関試験にせっかく合格したのにも関わらず開業しないのは、行政書士を目指している人に申し訳ないと感じるものがあったのだ。また、県内に年間にこれだけ少数の合格者しかいないという事は、資格に誇りも持てるし、職業として可能性もあるのではないか!と考えたからだ。それに実際に資格者として活動しないと先輩行政書士の方々と情報を交換させていただく機会も少ないというのが現実だからだ。

 さて、いよいよ申請である。事務所は自宅の一室(事務所は生活のスペースとは完全に独立させる必要がある)として、テーブルやコンピュータ、書類棚、金庫などを配置し申請することにした。申請すると一週間ほどで地元の行政書士支部会から事務所の場所や設備の確認の方が訪れた。特に問題はなかったようで、その後は1ヶ月ほどで登録されるに至った。

 登録証は長野県の行政書士会(長野県庁の一室)に行って頂いた。当日は私一人だけではなく、あと2人の新人行政書士がいらしていた。私とお一方は試験合格、もうお一方は公務員の勤続年数要件を満たして資格を得られた方であった。税理士や司法書士の方々の中には公務員で何年か活躍されて資格を得てから開業する人がけっこういると聞いていたが、行政書士にもそういう方がいる(もちろん資格要件があることは知っていたが)とはあまり考えたことが無かったので少々びっくりしつつ、開業の心構えや倫理要綱、注意事項などを聞いた。
 
 登録・開業についての説明が終わった後、行政書士会にある申請に関する研修テキストを全て購入してきた。これによって建設業許可、風俗営業許可、農地法関連申請、行政手続法など仕事に関する具体的な情報を入手できて、ちょっとうれしくなった。その他に、看板やゴム印、領収書など、そこで斡旋されているものは全て購入。入会金、会費4ヶ月分、看板、印、なとこの日の出費は約14万円、その他事前に用意した事務用品、FAX、など約5万円。開業費用は19万円となった。

 さて、いよいよ開業だ(といってもまだ、名刺も作らなくてはならないが)。ああ、研修会が待ち遠しい。はやく、開業費用くらいはPAYできるように頑張らないと!!(2000/6/27)

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