第七回

-行政書士ってなんだ?-本当の勉強はこれからだった!
 年が明けて、めでたく平成11年1月11日付けの合格証が届いた!
 その時は本当に飛び上がって喜んだものだ。「私もまんざら捨てたものじゃない!」と沸いてくる自信。そして、何か急に視界が広がるような、希望に満ちた未来が開けるような予感。
 しかし、冷静になってみれば、この資格をどう生かしていいのか全く分かっていない自分がいた。「開業準備」って何をすればいいんだろう?書店には資格試験の参考書は山ほどあるのに、実務の参考書はどこにあるのだろう?

 それよりなにより、「行政書士ってなんだ??」。究極の質問で自爆しそうだ。

 業務内容を調べると「身近な法律家」と言われる法律相談業務、官公庁に提出する膨大な数の書類の作成提出代行業務、法務・会計の両面から中小企業を支援するコンサルタント業務などが基本のようだ。
 さらに具体的な例を見て行くと、建設業関連の許可申請業務、外国人在留資格・帰化申請などの外国人業務、会社設立から会計記帳業務、土地家屋調査士などと協力しながら行う開発業務、また農業を営む私には身近な農地転用許可申請業務、遺言・相続相談などなど、かなり多岐に渡っている。あまりにも分野が多岐であることから行政書士事務所は中心として扱う得意分野を持って開業している・・などの事が分かって来た。

 さらに行政書士で成功している方が沢山いるという事も知った。最近インターネット行政書士協議会というホームページを発見し、そこの行政書士の方が集うメーリングリストに参加させていただいているのだが、そこに投稿されている行政書士の方々の仕事や、知識の深さにはただただ驚嘆するばかりである。また投稿される記事の文面に見え隠れする行政書士としての自信を感じるたびに、行政書士はなかなかやり甲斐の有る仕事だなあと思うようになってきた。
 また、よく資格参考書には「行政書士だけで開業は難しい。他の資格とダブルで開業するのが良い」などと書いてあるが、実態はそうとも一概には言えないようだ。ダブル・ライセンスというのは行政書士の業務があまりに多岐に渡るために、建築、労務、不動産などを勉強した結果として関連した資格を取っている場合もあるようだし、ライセンスがいくつあろうとも、またなかろうとも、顧客を開拓し、そのニーズに応えていけるかという力の方が開業に関してはよっぽど重要な問題なのだ。

 合格してから半年経って、なんとなくだが、やっと少しだけ行政書士の具体的なイメージが見えてきたような気がする。
私の「開業準備」は何だろう。まず、簿記と不動産に関する知識を深めることにしようと思う。
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