このページは液晶ディスプレイでよくある質問と解説をしています。
初心者向けに結構省いた所があるため説明が不十分な点があるかと思います。
どうしても気になる点がありましたら掲示板やメールでご質問下さい。
また、具体的なディスプレイの説明に関してはこちらのページでしております。
両方合わせてご利用ください。
■OD(オーバードライブ)回路って何ですか?
■動画重視したいんですが…
■TN、VA、IPSって何ですか?
■画像がぼやけるんですが…
■CRT17inchから乗り換えなので広いのが良いんですが…
■テカテカとザラザラと分かれている理由は何ですか?
■表面の汚れを拭きたいのですが…
■リフレッシュレートはいくつが良いですか?
■アナログ接続とデジタル接続どっちが良いですか?
■パネルの素性はどうやったらわかるのですか?
■パネルだけでディスプレイの性能が決まるのですか?
■CRTより液晶の方が目が疲れないのですか?
■参考リンク
スペック上の応答速度は黒→白→黒の輝度変化時間を表すが、実際使用する分にはその限りではない。
薄い色から濃い色という中間調の変化が多いが、液晶は原理的に中間調応答速度はスペックの数倍になる。
これによってスペック上では速いのに動画でにじみが酷いとかが問題になってくる。
その問題を解消するために生まれた技術がODで、液晶駆動電圧を一時的に過剰にかけることで達成する。
主に液晶TVに搭載される機能で若干動画に強くなります。
余談だけど、中間調応答速度を含め、本当の動画特性用にVESAが新規格策定しているとかなんとか
参考:ナナオの解説
動画に関しては”CRT≧液晶TV>OD搭載機種>普通のPC用ディスプレイ”な感じです。
インパルス型のCRTとホールド型の液晶を比べたらダメです。
液晶TVはOD搭載、黒挿入技術、高速応答液晶と擬似的なインパルス型を実現して動画に強くしてます。
ただ、PC用に関しては元来静止画がメインだったために最近やっとOD搭載機種が少し出てきた程度です。
恐らくチラツキが出る黒挿入はコスト的にもやることはないと思います。
その分PC用液晶は静止画に強いと割り切りませう。
TNは”Twisted Nematic”の略で昔からある普通の液晶です。
基板に対して液晶分子が90度捩れて積み重なる構造を取る事からその名前が付きました。
歴史が長いため安く、高速応答が可能ですがいかんせんそれくらいしかメリットはありません。
原理的に視野角が狭く、画質が悪いので有名。
大抵ツルピカで高輝度にして誤魔化してます。
VAは”Vertical Alighnment”の略です。
MVA(富士通、AUO、CMO等)、PVA(Samsung)、CPA(SHARP)と派生があります。
基板に対して液晶分子が垂直に立つことからその名前が付きました。
原理的に引き締まった黒を表示させるのが容易で高コントラスト製品の多くはこの方式です。
TNに比べて視野角が充分に広く実用には充分ですが、視野角による色変位が起こりやすいのが難点です。
また中間調応答速度が比較的遅いため、スペック上の応答速度と動画特性が一致しにくい。
IPSは”In Plane Switching”の略です。
日立、NEC液晶、IDTech、LGPhilips等で採用している方式。
基板に対して液晶分子が水平に並び、電圧を加えることで水平に動き光の透過具合を調整することからその名が付きました。
画素のドメインを複数持つことで色変位を抑えることができるため、VAより視野角という点に関しては優秀。
応答速度は遅いものの液晶の電場方向の関係上中間調応答速度の落ち込みが低いのは救い。
その構造上開口率が低いことが多く、特にLGPhilips製のパネルはザラツキ感があると評判が多少悪い。
液晶はCRTと異なり画素が固定されていますので推奨解像度以外を表示するとぼやけます。
購入の際には推奨解像度を充分注意した上で購入しましょう。
CRT17inchの表示領域は液晶15inchとほぼ同等です。
これはCRTのインチサイズ表記がガワの部分に隠れるブラウン管まで含むからとか。
単純に画像表示領域ならCRTのインチ数-2=液晶のインチ数が目安です。
元々外光反射の映り込みが気になってアンチグレア層を表面の偏光板に重ねたのが普及しました。
微小なシリコン球が表面に散布されており、それが光を散乱することで映り込みを防ぎます。
ただし、ディスプレイ側からの光も散乱してしまうために色純度が落ちる問題も同時に起こります。
それを嫌ってテカテカにして見た目綺麗にしたのが台頭してきたのが現在の状況です。
パっと見は綺麗ですが、暗めの画面では自分の顔が見えたり蛍光灯が見えたりと少々辛いです。
AR処理(アンチリフレクション)で低反射にしたのもありますがちょっとお高いです。
アンチグレア処理されているパネルの表面硬度は鉛筆の2〜3H程度です。
ですので多少強く拭いても大丈夫ですが、デリケートに扱うに越したことはないです。
専用の布とクリーナーで拭くのも良いですが、普通の方はメガネ拭きを流用するので充分です。
メガネと同様、優しく拭いてあげて下さい。
CRTみたいに高周波数は必要ありません。
基本的に内部の回路は60Hzで最適化されてるはずですので60Hzで問題ありません。
余談ですが、ノートPCはバッテリー駆動の場合周波数を落とす場合があります。
そのためちらつきが起こったりもしますが、一時的なものですのでご安心を。
基本的にデジタル接続が安定して綺麗です。
干渉とかも避けられますし一定の品質を保てます。
アナログ接続でも綺麗に映るディスプレイも多いです。
ただ、これは正直ディスプレイによりけりなので難しいです。
UXGAクラスになるとデジタルの方が無難なのが確かです。
(グラボ等)特に問題がなかったらデジタル接続にした方が良いと思います。
公称スペックだけである程度判別するこができます。
TN方式はその構造上、上下の視野角が狭くなっております。
ですので上下に視野角が狭い場合は100%TN方式です。
また、視野角が170度でも注意書きで”コントラスト5:1まで”と書いてる場合もTN方式です。
次にVA方式かIPS方式かを見分ける目安はコントラストです。
コントラストは構造上VA方式が出やすくなっているので500前後の場合IPS方式、800前後がVA方式です。
後はパネルメーカーのサイトのカタログを見てスペックを照らし合わせればほぼ分かります。
ただし、Web上で公開していないパネルも当然存在しますので注意が必要です。
そんなことはありません。
ディスプレイ側の画像制御回路でかなり変わってきます。
もちろん基本特性(応答速度の落ち込みや視野角の色変化)はパネルに寄ります。
しかし、それだけで性能が決まるわけでもないのも事実です。
また、同じパネル会社の同じサイズでも納入先によって偏光板やバックライト等が違います。
従って全く同じパネルを使うということはないのです。
参考:液晶パネルが同じなら、画質は同じ?(EIZOダイレクト)
一般的にはそう言われますが必ずしもそうとは限りません。
例えば安い液晶だと輝度が不必要なまでに高いため目が疲れることがあります。
また、視野角が狭くて目が疲れる人もいます。
動画に敏感な人は液晶の残像で目が痛くなるという人もいると千差万別です。
本来なら明滅を繰り返すCRTよりホールド型の液晶の方が負担は少ないはずなのですが…
暇つぶしに作ったんですが、ドットピッチを計算したい方はどうぞ。
買い替えする場合にどれだけ文字の見え方が変わるか多少は参考になるかと。
LCDの基本技術が説明されてます。
ちょっと古いですが充分参考になりますので。
コラムの液晶欄が充実してます。
じっくり読むと勉強になります。
トップにあるコラムでスペックと実機との隔たりを図入りで分かりやすく説明されてます。
私はパネルだけどこの方はディスプレイの中の人?