ジャッジメント JUDGEMENT:審判
Tarot-No.20

2006/01/28改訂

本体名:カメオ

能力:願いを土に投影し土で作り出す

スタンド形成法射程距離パワー射程・パワー増加法
ジャッジメント 身体同形体±α
(下記参照)
100m以上 環境パワー伝達
土人形 心象複写体 100m以上 全操作分離

告知

タロット解説

ジョジョ第3部に登場する22枚の「タロットカード」は、占いの道具としてよく知られ、それぞれのカードにはさまざまな解釈が与えられている。そしてその解釈には時に、『生命の樹』と呼ばれる図像が絡められる。生命の樹とは、宇宙・生命・人類・個人など、この世界の中で進化・成長する全てのものが、成長する際に辿る変化の共通性を図像化したものである。「セフィロトの樹」とも呼ばれるその図は、「状態」を表す10個の円形「セフィラ」と、円形同士を結び「変化」を表す22本の小径「パス」から成り、タロットはこのパスに対応している。そして22枚のタロットのうち、「卓越せしもの」を暗示する「アヌビス」のセフィラと「更新せしもの」を暗示する「オシリス」のセフィラを結ぶ「審判」は、「固定領域への堆積」を暗示するカードである。

成長体を構成している領域には、コンピューター機器におけるハードウェアとソフトウェア、またはOSとプログラムのように相対的に、「固定された要素から成る領域」と「変動させられる要素から成る領域」が存在する。そしてこの2つの領域は、「変動領域」が成長体を成長させていく「舞台」として、「固定領域」がその舞台を支える「土台」として機能する。このような固定領域の土台が設けられることで、成長体は土台の高さの次元でのさまざまな試みを、舞台の領域だけに集中して行うことができ、その成長の効率を大きく上げることができる。

そして、舞台と土台の要素は不変のものではなく、互いに変化もする。舞台上の変動要素は成長体が成長を行う中で、何度も見直され、改良され、練り上げられていく。そうして充分練り上げられ、当面それ以上の改良が必要無くなった要素は、固定要素へと変化し、既存の固定領域の上に地層のように「堆積」する。「審判」は主にこの堆積を行うタロットであり、土台の堆積によって成長体の舞台たる変動領域は少しずつ上昇し、より高度な次元での試みを行っていくことが可能となるわけである。(また、「星」から「世界」までのタロットから成る「更新段階」に属するこの「堆積」は、「生命の樹」の始まりへと戻る成長体に「安定性」を取り戻す、概念的な「地」の元素の役割を担うこととなる) また、成長体は高度な変動領域への到達を機に、既存の固定要素の中から、更なる改良が可能または修正の必要がある要素を、地層の中から「発掘」して変動要素に戻すこともある。

なお、この固定領域の変更は、でき得る限り問題点が少なくなるように行われねばならない。もし固定要素の土台に重大な欠陥や矛盾があったり、またはその土台が舞台に提供する機能性や自由度が充分でなかったりすれば、舞台で行われる成長にもその弊害は必ず現れる。そして舞台上の状態を維持したまま土台の問題の解決を行うのは、家を建てたままその基礎部分を修繕するがごとく難しく、またOSとプログラムのように土台と舞台の機能的な結び付きが強い場合には、土台の変更によって舞台上でのそれまでの成果が機能しなくなってしまう恐れもある。その意味においてこのタロットは、その変更が本当に適切であるかを「審判」する役割を持っているといえる。

上記の事柄は、人間の精神的成長においても全く同様である。人は物心のつかないうちに立つこと・歩くこと・言葉を発することなどを失敗しながら覚え、そしてそれらを充分問題無く行えるようになると、自然とそれを意識しなくなっていく。そうすることで人は、自分の限られた情報処理能力の全てを次なる試みへと注力しながら、先へと進んでいくことが可能となる。また、自分が経験していく物事は時として、それに対する居心地の良さや後悔を自分に感じさせ、その物事への「拘り」を生じさせる。この拘りはその物事に「糧」としての価値があるうちは、それを深く極める原動力となり、自分に大きな成長をもたらす。しかしもし、そうして充分消化され「糧」としての価値が無くなってもなお拘るなら、それは逆に自分に無意味な時間や労力を費やさせ、自分が新たな物事、新たな成長へと向かう可能性も殺ぐことになってしまう。

このような拘りの中でもっとも厄介なものと言えるのが、失われた大事なものや自分の過失といった、取り戻せない過去や取り返しのつかない過去への拘りであろう。この類の出来事は、充分思い悩み苦しんでなお後を引くことが多く、また自分がその出来事を忘れてしまうことへの罪悪感も手伝って、泥沼のように自分をその出来事に「拘泥」させる。そして、この拘泥から抜け出すために必要なのは、強い意志を以ってその出来事から「決別」することである。もう変えることのできない過去に費やす想いが無駄であることを認め、一方自分がその出来事から学んだことや自分にとってその出来事が大事なことであるという「敬意」は失うことなく、その出来事を記憶の奥底へと「埋葬」し、必要であれば自分の生を犠牲にしない程度の頻度でその出来事を思い出し気持ちを新たにする「慰霊」を行うこと。それがおそらくは、過ぎ去ってしまったものに対して生き続けねばならない者が行える最善の処置であろう。自分を過去から解き放ち未来の可能性へと向かわせるための「決別」と、もう変えることのできない過去へと縛り付ける「拘泥」。それが人に対して「審判」のタロットが示す重要な意味である。

スタンド解説

■本体や他者の記憶やイメージを「大地に投影」することで、映写機がスクリーンに映像を映し出すように、それらを土で「再現」「制作」する能力を持つ人型スタンド。そのスタンド体は、分厚い装甲に覆われた武骨な体躯にマニピュレーターのような3本指の外観と、シャフトやパイプなどが入り組む体内機構を備える、ロボットのような姿を持つ。この姿は、本来本体カメオの身体と対応して形成されるべき人型スタンドを、カメオのイメージにより制作した身体パーツと入れ換え、改造・強化を重ねた結果得られたものである。カメオの記憶の地層に強固に堆積している「ジャッジメント」の身体構造のイメージは、周囲の「大地に投影」されることで、大地と対応した人型スタンドとして形成される。そのボディーは重さを持たないスタンドエネルギーでありながら、見えない無数のロープで周囲の大地と結ばれたかのような「不動性」と、それによる擬似的な「重量感」を発揮し、その両腕はパワフルに攻撃を受け止め撥ね返し、重みある攻撃をかなりのスピードで繰り出すことができる。また、そのボディーへのダメージは当然本体に返ることはなく、代わりに周囲の大地全体へと転換される。もっとも、さすがにスタンド体の「芯」となる部分には本体との対応が残っていると考えられ、このためスタンド体全身が受ける衝撃などは「芯」へのダメージとなって本体にも伝わる。また、破壊された身体パーツの再制作には多少の時間が必要となり、少なくとも戦闘中に再生・回復するのは無理なようである。なお、「ジャッジメント」は「環境パワー伝達」の効果により、大地が露出している陸地ではスタンド体が本体から相当離れていても、そのパワーが減じることはない。

■また「ジャッジメント」は、他者の記憶に自らの能力を与え「大地に投影」することで、それらを土で作り出してやることもできる。(この時カメオは自らは土中に潜み、スタンド体をあたかもランプの魔神であるかのように出現させ、相手の「願い」を聞き入れるという名目でそれを土で作り出す) 土で作り出され実体化したそれは、大地の表層に半ば埋もれたような状態で出現する。それらの出来映えは、おそらくは「願った者」のそれに対する「イメージの完璧さ」や「仕組みの理解度」に左右され、複雑な物ほど難しくなると考えられるが、願った者に偽物と見破られない程度には問題なく作り出せるようである。(あるいは、自分のスタンドを複雑な機械に換装できるほどのイメージ力を持ったカメオが、願った者のイメージの粗を補完しているのかもしれない) また、願った者のイメージに仮に本物と違う所があったとしても、イメージした当人は当然それを理由に偽物だと気付くことはない。

■そして、もし相手が「死者の復活」(または行方知れずになった者との再会)を願った場合、「ジャッジメント」はそれをも生きているかのように動くものとして土で作り出せる。作り出された「土人形」は外見のみならず、声や仕草までも願った者の記憶どおりに振る舞い、両者の間にあった過去の出来事をも話すため、願った者には本当に本人が生き返ったとしか感じられない。しかし、願った者の記憶の地層から暴かれ、土によって物質化したそれは、しょせん願った者がその死者に持っている「想い」に反応して動く人形でしかない。またこの土人形は、願った者のその死者に対する「拘泥」の念があまりに強すぎると、たがが外れたかのような狂暴さで願った者に襲いかかってくる。例えば願った者がその死者に対して「深い愛情」を持っていた場合、土人形は願った者の体に噛み付き食らい尽くそうとしてくる。また、願った者がその死者に対して「深い罪の意識」を持っていた場合、土人形は願った者の体を全力で傷つけ破壊しようとしてくる。そして願った者は、自分にとって大切な者の姿をし、自分の想いに反応して襲ってくる土人形に対して、割り切り決別して打ち破らない限り、共に滅ぶしかない。

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