4thDay
 明日の出発時間を考えると観光ができる最終日。窓を開けてみると昨日の土砂降りに強い風が加わってきたようだ。天気予報を見ると台風の位置は昨日とほとんど変わっていなかった。「雨でも楽しめるところはないのかな。」と考えてみたけれど、1日ショッピングのみと言うのはおもしろくないので予定どおり台北動物園&猫空へ行くことにした。
 ホテルの地下1階のレストランに行くと昨日よりは空いているような感じ。朝食ブッフェの料理は毎日ほとんど変化がなかったものの、それなりにおいしかった。いや値段から見れば大満足というところか。
 ホテルの「ベルキャプテン」に今日の天気を聞いてみると、当然ながら1日雨の予報だった。松江南京駅に到着する頃には雨が小降りになっていたので、天気がよくなることを少し期待しつつMTRへ乗車する。忠孝新生駅で板南線に乗り換える。この路線は台湾駅などと連絡しておりとても混雑していた。
 そしてもう1回忠孝復興駅でMTR文山内湖線に乗り換える。この路線は1996年に開通した最初のMTR路線で、普通の地下鉄よりも一回り小さい車両が走っている。この路線は全自動運転で運転手も車掌も乗車していない。地下ではなくて高架となっておりビルの間をぬうように走行をしている。動物園駅までは9駅、約20分ほどで到着した。
 動物が自然に近い状態で飼育されていることが大きな特徴でもある台北市動物園は広さは182ヘクタールともちろん台湾では最大の動物園である。ちなみに上野動物園の広さは14ヘクタールなのでかなり広い動物園である。入場券を買う時に大人2枚、子供2枚と英語で伝えたつもりだったが、日本語で「大人一人分だけでよいですよ」と言われた。それでよいというのに「何でですか」とも聞けず理由は結局わからなかった。
 パンダ舎へ到着して、早速中に入ってみると、先客が5名ほどいるのみで並んでいる人もいない。うれしいことにパンダは寝ているわけではなくちょうど朝食の時間なのかおいしそうに食事をしている。さらに食事中に運動をするのか、とてもかわいらしく動き回っているのを見ることができた。その先客もいなくなり、20分ほどの間パンダ2頭と我々しかいない状態になった。正確には案内の方も隣にいてパンダの名前や「上野のパンダはどうだ」「上野のパンダの子供は残念だった」「台湾のパンダは相性がよくないのか子供がなかなかできない」などといろいろとお話しを伺うことができた。
 台湾市動物園にはコアラもおり、パンダと並ぶ人気物のはずなのだが、夏休み期間中とは言え、台風が近づいている動物園に来園する人も少なく、こちらも先客の2名と我々だけでしばらくコアラを見ていることができた。コアラは日中、寝ていることが多いらしく、見学したときもほとんどのコアラが木につかまりながらかわいい姿で寝ていた。動物園はとにかく広いので全部を歩いて見て回るのは現実的ではない。そこで園内シャトルに乗って一気に両生、爬虫類館まで行くことにした。乗車料金は1回一人5元(14円)。ただし、シンガポール動物園のように園内の動物を見ながらの移動ではなくて、動物をほとんどみることができない。ただの移動手段として考えた方がよいかも。
 両生、爬虫類館を見てからペンギン館方面へ向かう。台湾動物園は自然環境に近い状態で飼育されており、タイリクオオカミもおりはなくて目の前の池で仕切られているだけ。多分、途中から深くなっているのだろうけど、このオオカミが我々に興味を持ってくれたのか池の中をパシャパシャと歩いてくるので、来ないとはわかっていてもちょっと怖かった。楽しみにしていたレッサーパンダは姿を見せず、お隣のツキノワグマへ。ここで、土砂降りの雨になり、とても歩くことはできず雨宿りをすることに。多少、雨が小降りになったところでダッシュ。そしてまた雨宿りとこれを繰り返しながら入り口方面へ向かう。動物園は自然に近い環境で動物を飼育している。大きな象が小さくみえるほど広々としたエリアでのびのびと動き回っていた。
 お腹もすいてきたのでそろそろ昼食を食べようと思ってみたものの、外で食べることが前提になっているよう。でも外で食べれるわけもないので、結局入り口まで戻ってみた。ここにはマクドナルドとセブンイレブンがある。KARINのリクエストでセブンイレブンへ。何といっても安上がりでそれなりにおいしい。マーボー豆腐ごはんがこれまたおいしくて55元(150円)。
 評判が最もよかったがドラえもんのベビーカステラ15元(40円)。これだけ買っても207元(560円)というのはやっぱり安い。ギフトショップを見てからMTR駅へ。さすがにこの天気なので猫空ロープウェーは運休となっていた。それならばと、台湾駅付近の問屋街を散策することにした。動物園からMTR駅までは1、2分ほどの距離にある。
 この天気、かつ、平日なので動物園駅はガラガラでMTRも貸切状態だった。忠孝新生駅で板南線に乗り換える。外を見ると雨も激しさを増しているように思える。MTRの文山内湖線は高架を走行しており、板南線は地下を走っているため長いエスカレータに乗ってホームまで。
 駅の名前も地図で位置を見ても「台湾駅は「台湾駅」なのだがとにかく広い。地上は雨が降っているのでできるだけ地下を歩いていくことにした。ところが歩いても歩いても地下街にたどり着かない。ようやく台北地下街にたどり着いた時にはヘトヘトになっていた。通路が左右に分かれておりその両側に店がびっしりと出店している。それがずっと先まで続いている。問屋街に行く予定だが、ここも問屋街のような感じだった。特に靴、かばんを売っている店が多かったように思う。もちろんビーズショップもあった。ビーズショップに関しては、その後札幌でも問屋さんを見つけたこともあり、前ほど熱中することはなくなった。
 それでもステーショナリーショップなど面白そうなショップがたくさんあり、見ていても飽きない。外は相変わらず雨が降っているものの1階部分はアーケードになっており、道路を横断するところ以外は雨に濡れることなく見て回ることができる。問屋街は基本的に値引き交渉はしないのか「シールを3枚買うからまけてほしい」と言ってみたところ「(小売りより)安くなっているよ」とディスカウントはしてくれない。もう一度言ってみると「いらないのかい」と言われてしまったので「買います」と。交渉はなかなか難しい。と言うより値段も値段なので。雨が降っていても暑いのは暑いので水分補給をしようと思って飲み物を売っているところを探してみた。飲みたくない時は意外と見つけるのに飲みたいときには全くない。地下街に行けば何かあるはずと歩いて行ったものの、結局台北駅までずっと洋服、靴、鞄ショップが続き喫茶店やドリンクコーナー、自動販売機はなかった。
 またまた板南線に乗車する。台北101に行くにはどこの駅で降車するのがよいのかわからなかったため、國父記念館駅でひとまず降りてみると、どこにもそれらしき案内がない。「一つ先の市政府駅だったか」ともう一度MTRに乗車して「市政府駅へ」。「あっここだここだ」と案内標識のとおり進んでいく。情報によると101までは無料シャトルバスが15分間隔で走っているとのこと。「いったいどこで乗るのか。」さっぱりわからなかった。
 案内表示のとおりに歩いても乗り場まではたどり着けず。この辺かと周りを見回してもそれらしき場所がない。かと言って雨の中を歩いて行くのはどうかと思っていると小型のバスが目の前に来たので、ひとまずみんなで走って行ってみる。「台北101に行きたいのですが、これはシャトルバスですか」と聞いいてみたところ「いや違うよ」と。でも表示板を見ると101と書いてある。不思議な顔をしていると、乗客の方が日本語で「行きますよ。一人15元ですが」と教えてくれた。
シャトルバスは無料なのだろうけど、このバスは有料のバスなので運転手さんはシャトルバスではないと言ってくれたのだろう。そんなわけで、無事に有料のバスに乗車して台北101へ。5分ほどで台北101へ到着したので、先ほど親切に教えてくれた方にお礼を言ってから下車した。 
 先ほどの続きで喉が渇いていたので台湾と言えばのタピオカミルクティを飲むことにした。場所は地下1階にある「CoCo 都可茶飲」。台湾のチェーン店とのこと。タピオカミルクティは35元(95円)、チョコミルクティは40元(110円)、そして紅茶ラテが60元(160円)となかなかリーズナブルな料金。台北101は展望台だけではなくオフィス、さらにショッピングモールもあり、とにかく広い。ので、目の前にあるエスカレータに取りあえず乗ってみたりすると、どこにいるのかがわからなくなってしまう。
 展望台への入り口は5階にある。まずは入場券を購入する。値段は大人が450元(1200円)、子供が400元(1000円)とあまり差がない。子供は半額と考えるのは日本の考えなのだろうか。同じ5階でエレベーターに乗る。このエレベータがまた素晴らしく世界最快速。そう、世界で一番早いエレベータなのだ。しかも東芝製なのがうれしい。時速60キロのエレベーターに乗って89階の展望台へ。展望台では案内ガイドを無料で貸してもらえる。場所ごとに1番から15番(だったか)の番号が付いており、基本的にそこから見える景色の案内を聞くことができる。
 91階には屋外展望台もあり天気によってはそちらから景色を眺めることもできる。しかし、この暴風雨で外からの景色はありえず当然クローズだった。展望台には休憩スペースもあったので休憩することに。台湾ではタピオカアイスティを飲んでマンゴーアイスを食べないと、と思っていたのでそこで見つけたマンゴーアイスを食べてみる。展望台料金でも199元(530円)とはリーズナブルな料金かも。
 風雨も強くなってきているのが展望台からでもわかる。中から外を見るのも素晴らしいけれど、本当は外観も見てみたかった。なので、展望台の入り口にあった絵で我慢することに。
 無料のシャトルバスの乗り場を見つけて長い列に並ぶ。天気がよければ歩けない距離ではないが、さすがに暴風雨の中を歩くこともできずとっても混雑していた。並んでいた時間は10分ほどだったのに、いつ来るのかがわからないのでずいぶんと長い時間まっていたような感じがした。市政府駅までは時間なのか天気なのかわからいが、台北101へ向かう時よりは時間がかかった。夕食をどうしようかと考えたところ、もう一度士林夜市で粥を食べようということでみんなの意見が一致した。もちろんAIAI&KARINはゲームをしたかったのだろうけど。
 士林夜市へ到着すると一段と激しい暴風雨になっており、駅の中にいても横から雨が降ってくるような感じだった。屋台が連なっているのが夜市も魅力の一つでもあるけれど。真昼のように明るい夜市がほとんどの店も閉まっているような感じだった。それでもアーケードの方は屋根もあるしやっているのではと土砂降りの雨の中を歩いて行く。
 台風の中をわざわざ来たのはこの粥を食べるためことも目的のひとつ。そしてもう一つの目的はAIAI&KARINが2日目に遊んだピンポンゲームで遊ぶということ。食事をしてから1階のアーケード行ってみると、ほとんどの店が閉まっており、開いている店も店じまいをしていた。当然ながらこれだけ風が強いとピンポン球がまっすぐ飛ぶわけもなく、店は真っ暗だった。
 店もほとんど開いていないので、買い物どころではない。いや、開いていても買い物はできないほどの天気になってきた。こうなってくると高架を走行するMTRは大丈夫かと心配になってくる。そんなわけで駅まで歩いて行くけれど、雨だけではなくて風も強くカッパを着ていてもびしょびしょになってしまう。
 MTRに乗るとさすがに乗車している人も少ない。松江南京駅に到着しても歩いている人はほとんどみかけなかった。こんな日は出歩かないで家ですごしているのだろうか。
 台湾に来てから胃が大きくなったのか夜食もセットで食べたくなってくる。またまたコンビニでカップ麺を買ってホテルで食べることにする。ホテルに帰る途中で見かけたのがビルの入り口にある水の浸入を防止する板のようなもの。それだけ、台風が多いということなのかもしれない。

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