東洋医学
潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis:通称 UC),過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:通称 IBS)の治療方法
(8)腎陰虚・陽虚とは何か(仮説)
●腎の陰虚・陽虚の解説は、「中医学入門」、神戸中医学研究会編、医歯学出版鰍ノ詳しい。漢薬臨床応用、中山医学院編、神戸中医学研究会訳・編、医歯学出版鰍ノおける補血薬、補陰薬、補陽薬、固渋薬の項における薬効を参照する。気虚は、陰虚・陽虚(明らかな熱症、寒症)に至らない状態と解釈すればよい。
●さらに、腎陰陽虚と現代医学の関係については、姜春華・他編、上海医科大学、森雄材他訳「腎の現代医学的研究」樺国漢方、昭和60年。沈自尹、”中西医結合の「腎研究-最先端科学との融合がもたらす成果」、中医臨床、Vol.31-No.1、2010年3月などを参照されたい。
●上記文献、その他によれば、腎経の働きは次のようなものを包含する。
(1)誕生から成人に至る身体や知能の成長・発育機能
(2)日常の身体(細胞)の老化・再生、即ち、維持保全(細胞の入れ替わり)に関わる機能
(3)泌尿器・生殖器に関わる機能
(4)人体内部の水分代謝(過剰、不足)機能
(5)乾燥症候群(膠原病、シーグレン症候群)
(6)免疫機能
(7)生命の危機に関わるような状態(大ごと)に対応する危険信号の発令(恐怖への反応、状況が大ごとであるという認識の伝達)
(8)休眠状態にある幹細胞の覚醒とその微小環境の改善強化(即ち、活性化)。腸上皮組織、造血組織等の細胞新生系における幹細胞の活性化。
(9)内分泌系(内分泌物質の量と内分泌物質の放出機能(細胞の放出強さとタイミング))に関する機能
内分泌系:例えば杯細胞等の内分泌腺そのものと、各種の内分泌物質(ホルモン)の生産を担っている臓器と解釈している。内分泌腺:下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓のランケルハンス島、精巣、卵巣、胎盤
●筆者の仮説では、瞬間的な、思考、感覚、感情(大脳皮質と大脳辺縁系)を除き、気分という時間を感じる時間程度における全神経の働きは、全て内分泌系の作用による(当然、上記神経との相互作用はあるだろうが)と考える。もしそうであれば、人間のほとんど全ての活動は、腎経の働きの下にあるといってよいだろう。この仮説を採用するならば、上記(1)から(8)は全て、(9)の中の部分作用の現れということになる。そして、(9)には、人間の思考、感覚、感情、その他自律神経に基づく人間の全ての活動、行動の調節機能が入れ替わる。
前節における「自律神経の乱れ」とは、張明澄説に従えば、結局、交感神経と副交感神経の働き方(それぞれの興奮作用の強さと交代のタイミング)が乱れたのであり、それは筆者の考えるところでは、交感神経と副交感神経を興奮させる内分泌物質の放出量と放出タイミングが乱れたのである。
上記によれば、性ホルモンの影響をうけているとされる皮膚内の皮脂腺(皮膚中の保持水分量に関係)、涙腺、唾液腺、鼻腔粘膜、肺腺、滑液を分泌する各種関節滑膜、その他各種器官の上皮を濡化・器官保護する全ての粘液供給腺の活性化は腎経の働きと密接に関係しているはずである。それとは逆の働きをする、粘液や溶液の吸収細胞の活性化も腎経の働きのはずである。なお、各種粘液の漏出が止まない症状もある。これらも、腎経の働きと関わりがある。粘液の漏出止め剤が固渋剤であるが、同時に特に腎経を強化しなければならない。
骨髄における造血作用時にもホルモンが関与しているので、毛細血管、赤血球、白血球(マクロファージを含む)の造血活性にも、腎経は関係する。こう考えると、鹿茸の重度貧血治療効果(その原因は、造血時に遡る)と、安胎効果、即ち母体の造血作業を活性化し、新しい生命成長のために、胎盤がさらに必要栄養要素を胎児に供給する作用を説明できる。
例えば大腸(胃でも小腸でもよい)の粘液(消化液でもよい)供給細胞の再生(旧細胞死滅から新細胞の誕生・成長に至る過程)機能は、各種ホルモンの供給能率に左右され、ホルモン物質量は腎経の陰気・陰液であり、そのホルモン作用は腎陽気である。成長して本来の役割を果たしている大腸粘液供給細胞と粘液は、大腸経の陰気・陰液であり、その現状としての役割の作用は大腸経の陽気である。大腸細胞の入れ替わりの際の腎経の働きとは別に、大腸経の陽気は、現状態で腎経の働きの応援を得なければ十分に働けない。何故なら、大腸経の働きは、全体の調和した身体の動きの中の一部分であり、全体の調和を統括している働きは腎経であるからである。
例えば、子供Aを生み、育てている最中の両親Bの存在と働きは、両親Bの腎経の陰(Bの存在の大きさ)と・陽気(働きの強さ)である。成人して働いている状況にある大人としてのAは両親Bの腎経の庇護の下にはなく、生来の素質とは、両親Bの先天の腎気を受け継いだ元々の体質であり、現在の体質とは、その後の成長の過程で変化した現状の体質である。胎児の成長過程においても各器官の細胞は新旧入れ替わっているのであろうから、生命の起源を同一とする他種の生命(細胞)により生産された物質により、先天の素質(胎児)が誕生後に変化することができることは当然である。遺伝子は、胎児成長過程にあっては、当然に器官の造形に影響を与えるが、誕生後にも遺伝子が臓器官の働きのすべてを決定することはないのである。
腎経の実証(実邪)は、膀胱湿熱と内分泌腺の働きの異常によって生じた(他の器官による代償作用も含まれる)過剰分泌液の非処理部分である。
さらに筆者による仮説であるが、腎陽虚寒症とは、身体の或る部分が自律神経によって熱発生が要求されているにも関わらず、発熱指令に従って発熱させる或る種の内分泌液、即ちホルモンの分泌の供給が不十分である状態であると考える。腎陽虚寒症を治すには、その発熱機能を活性化させてやればよい。そして、その各部分に適応する各種の生薬が存在する。それが各種の補腎陽剤である。
要するに、生命の発生・成長、行動変化、生体の維持更新・老化等の原因を説明するためには、現代に言うホルモン作用、免疫作用などが必ずあるはずと考察して、それらの存在と作用を総称して、先人は腎経と名付けたのである。当然ながら、これらの調整作用には、自律神経が関わっている。自律神経も大脳皮質も細胞であるから、結局は、各器官の全ての働きを制御しているものは、腎経の陰陽の気であると筆者は考える。高度の神経活動(知覚等)の内の一瞬部分を除く中枢神経の大部分は、結局は腎経の支配下にあり、腎経が衰えることは、全ての器官が衰えることであり、その逆ではない。
さかのぼって考えると、自律神経の乱れによる急性の大腸炎も、慢性に到って腎陽虚となったUCも、結局は腎経のホルモン分泌異常の結果であり、その中間位置で、大腸経自体の陰陽維持機能が働いていることになる。これを五行理論で説明すると、急性大腸炎(熱症)は心火旺(火経)による大腸(金経)への相尅作用であり、心火旺が治まれば急性の大腸炎症は治まる。急性の心火旺を鎮める薬剤は、第1に牛黄(精神的な震えを鎮める)であり、第2に竜骨(ぐらぐら頭がゆれる場合に特によい)である。
神経細胞と心筋細胞は新旧細胞の入れ替わりがない。それらはその部分では腎経と関わらないが、両細胞はホルモン分泌と深く関わっている。従って、腎経は自経を含めた全ての経に対し、相生(アクセル)と相尅(ブレーキ)の両作用を持つと筆者は考えている。
●筆者の考えでは、腎経の陰陽の気は、自経を含めた全ての経に新旧細胞の更新を通じて影響を及ぼす。UCは、腎陽虚の影響が偶々、大腸上皮細胞の部位に及んだのである。その意味で、腎陽の虚損の影響は、身体全臓器の病症に関係する。生来の腎陽虚の人は、他のどこかの臓器の弱点と組み合わさってその弱い部位に病が生じるが、その病の根本は腎陽虚であるということが多いはずである。
筆者は正直のところ、新旧細胞の更新のことを考えると、腎陰虚だけの病があって、長期に渡り補陰剤だけを使って治療するという意味は分からない。必ず補腎陽剤も(量は少ないだろうが)必要なはずである。しかしながら、燥性の(補陰性の少ない)補腎陽剤だけを使って投薬すると、直に熱症が起きるのも事実である。ということは、補腎陽剤で細胞(例えば粘液供給細胞)の働きを活性化する(陽)ことと、細胞が粘液(各種ホルモンを含む)を正常に(盛んに)供給することとは、別の現象であるということになる。各種補陰剤には、内分泌液の完成品に近い原料となる成分(胃腸で分解されない成分であるか、内分泌液を作る原料、即ち薬剤)が含まれているのだろう。
このことは、UCの症状に四神丸加味を続けると、便秘気味になることから分かる。前々節によると、UCにあっては陰窩内部の杯細胞が萎縮しており通便粘液供給が少なくなっているはずなのに、前節のJに挙げた通便剤(補陰剤)を与えると下痢が増すのは、自由表面上皮の代償作用をしている杯細胞が活性化するためではないかという仮説を裏付ける。さらに、陽虚のために生じる便秘症(結局は小腸、大腸の潤滑性と自立的な動きの不足による)には通便性補陰剤を与えると同時に陰窩内部の杯細胞を活性化するための補腎陽剤も少しく加えたらよいのではないかという仮説も生まれる。
●システムとしての神経は、内外の環境状況を察知して、身体各部活動を腎経のホルモン分泌と相協力して実施するための腎経器官である。人間の場合、種として継続、繁栄を図るために、腎経が人間特有の大脳(大脳皮質と大脳辺縁系)の働きを強化した。神経細胞は損傷修復時を除き、細胞更新することはないから、知覚を担う神経機能(高度の感情や知能の働き、理性)は、もはや腎経の支配が及び難くなった。その高度の神経システム部分(思考、知識、感覚野)を「神(シン)」と名付ける。それ故、元は同源である腎経神経機能(自律神経)と「神」機能とは、人間の行動において異なる役割を担うようになり、相補い、且つ相争いながら、或る均衡点の判断で人体は行動するようになった(仮説)。筆者は、人間の代表的な活動現象に当たる経済学を長年研究した結果、「神(シン)とは、自分の眼に実際は見えない自分の空想を自分の眼で見えているように感じ、又他人の空想も自分の眼に見えているように感じる能力である」と定義するに到った。この能力が、政治、経済、学問、芸術、宗教、人間関係(家庭内も同じ)の活動における源泉であり、人間特有のものである。神(シン)不足の人間は人間らしくないないのであり、神(シン)の存在しない人間は、単なる身体である。
●自律神経の大きな乱れは、自分が実現可能であると信じていた(将来の姿が見えていた)現象(目標、現実)が突然達成されないのではないかと悟る(将来の姿が見えた)瞬間に起きる。場合によっては、自分の能力に余る緊張感をもって長期間持続して大事(おおごと)を達成し得たと感じたしたその瞬間(緊張の糸が切れた瞬間)にも起きることがある。このとき、神(シン)はこれは人生にとって大事(おおごと)である、あるいは大事であったという信号を身体、即ち腎経を通じて発するのである。この引き金が突発的な危機信号として心包経に伝わり(日常よく起きる心臓がどきんとすること。)、本当にこれは大事(おおごと)だと神(シン)が判断すると、心肝火旺(どき、どき、どき、どき、・・・が止まらない、居ても立ってもいられない)に至る。そして、その状態に特有な症状、即ち、神経系の自律抑制困難、ホルモンの突発的な分泌異常、身体の痙攣(精神の震えか身体の震え、通常、舌の震えで分かる)などが起きる。
腎経の自律神経は、只今のような状況が続けばもう身体(精神)が続かないから、その状況を止めるべきだ、あるいは只今の状態は危険な状態だからそれに対処するように行動しろと理性(神)に要求している。一方、理性の方では、いやいやこの状態を抜け出ることは、社会の生存環境が許さない、あるいは自分の方が負けるから行動は止めるべきだと身体に要求している。どこかで、どう進んでいいのかの行動方針決定の均衡点が取れなくなって、それに関与するホルモンの異常分泌現象が起きる。それが例えば、突発的な不安神経症や急性うつ病症状(腎陽虚である人の場合は、疲労困ぱい感、焦燥感、不安感、不眠等。正常であれば根拠の無い対象、しぐさなどに対する、いらいら感、怒り型ではないうつ病)であり、あるいは急性臓器炎症(めまい、涙など、猛烈な大腸性下痢、成人の猛烈な全身アトピー性皮膚炎(多分、腎陽虚のせいではなく、自律神経の乱れが尿の排出不良をもらすのではないかと考える)である。
インターフェロンやステロイド剤によって、「うつ病」の症状が出る、言い換えて、それらを用いてうつ病を発病させる、又はうつ病を継続させることができる。そのことは、人間の行動意志決定や思考、感情に関与するホルモンの分泌異常(元々は健康だった人の場合)がうつ病の原因であることを示している。
急性の「神」の異常には、牛黄清心丸(商品名によって感応丸など、名称は様々。牛黄や麝香の入った生薬は大変高価であるが、直に不要になる。)、柴胡加竜骨牡蠣湯、三黄瀉心湯などを用い、さらに抑肝散を加えて、精神を鎮める。牛黄清心丸と抑肝散には即効性がある(10分で効く)ので、乗り物中や閉所に対する不安神経症の人は、外出するときに持ち歩くとよい。2、3回使用する内にその効果を神部が理解するので、その安心感からじきに神経不安は起きなくなる。神経不安が治まると、不思議なことにそれらの薬剤は身体に何の反応も起こさなくなる(筆者自身の経験による)。牛黄清心丸:諸風による緩縦不随、語言蹇渋、心神恍惚、怔忡健忘、頭目眩暈、胸中欝煩、痰涎壅塞、精神昏憤、心気不足、驚悸悲憂、虚煩少眠、喜怒無時、あるいは癲狂を発し、神情煩のものを治す、漢方医学大辞典、薬方篇、人民衛生出版社、蒲Y渾社。現に日常の社会生活を営んでいる社会人にとっては、牛黄を含む諸薬は、精神の大きな異常が突発的におきた場合に単発的に使うものであり、長く続ける必要は全くない。神に、この薬は、自分のこういう精神症状を瞬間的に鎮めてくれると納得させることができたら、牛黄清心丸の役割はそこで終わりである(懐に忍ばせて持っていればそれでよい。牛黄清心丸は水戸黄門の印籠の中の薬剤であったと聞いている)。最初から精神に何の反応も現れなければ、牛黄清心丸は最初からその症状には無効である。長く続けていれば効いてくるというようなものではない。
舌が激しく振るえたり、ぐらぐらめまいがする(回転性ではない)場合は、竜骨、天麻、釣藤鈎などが入った処方を用いる。注意しなければならないのは、そのときの状態が身体の寒熱のどちらに傾いているかを判断することである。神経が興奮しているときは、外見の虚弱に関係せず、まず熱症であると判断し、神経の興奮を最初に鎮め(数日間)、それから体質に基づいた処方に進むとよい。寒熱を間違えると、全く効かないどころか、症状を悪化させることがある。湿分、痰飲症を兼ねているときは、温胆湯(清熱性がある)との併用になる。通常神経の緊張持続からくるいらいら感も兼ねていること多いので、柴胡剤を加えることもある。なお、自律神経の突発的な乱れが治まった後(下痢などが止まる、心臓のどきどき状態が止まる。焦燥感が薄まる。目の充血が薄れてくる、目つきが和らいでくる)は、その人本来の体質が現れてくる。そのときには、頭部の血液循環がうまく行かなかったのが精神の乱れの原因であったのであるから、通常の高価でない諸薬を使えばよい。陽虚の人は、桂枝、附子系統(桂枝、附子などは、精神が未だ落ち着いていない場合は使わない方がよい)、白朮茯苓系統、乾姜、肉桂、前述の右帰丸加減などでよいと思う。注意すべきは、しばらくの間は陽虚の人でも身体に自律神経の熱症の余韻が残っていて、時折震えが出たりすることがあることである。そのときには、その都度温補剤の服用を中断し、柴胡加竜骨牡蠣湯(僅かでよい)、温胆湯などで2〜3日間、精神を清熱する。なお、熱症は興奮の僅かな余韻であるから、舌質(紅味を帯びる)、舌苔(黄色味を帯びる)には現れていないことが多いことに注意する。
●冷え性の人はよく分かるとおり、なかなか治りにくい。冷え性とは、全身の血液の循環不良である。通常過湿と並存している。特徴は次のようである。手足臀部など特定部位の冷え、背中の何とも形容しがたい重苦しさ、頸項部のつまり感、風邪の後遺症のような症状(鼻水、頭がぼおとする、体がだるい)が風邪でもないのに続く。胃部をたたくとポチャポチャ音がする。夏でも人より汗の出方が少ないように感じる。学童期に頭をたれているような状態で元気がない(今から考えると、これは体内過湿のせいであり、処方は防己黄耆湯か温胆湯、四苓散などであったと考えられる)。車酔いしやすい。朝方起き難いが活動すると治まって来る。子供のときから夜尿意がある。ビールを飲むと翌日調子が悪い(若いときは何とかこなしている場合もある)。緊張すると、小腸性の下痢(便が下ると気持ちよくなる下痢)、大腸性の下痢(便を下しても、なんとなく腹が気持ち悪く、直に又便意を覚える下痢。これのひどい状態がUC)になりやすい。季節の変わり目、低気圧・高気圧の通過時点では、計ったように体調不良になる。腰痛気味である。膝頭部が冷えて痛い。足先、甲、底が冷えて神経が通わないような感覚となる。血液循環は繋がっているから、当然、頭部の血液循環もよくない。従って、冷え性の人は、働きすぎによる燃え尽き症候群型のうつ病になりやすい(もしなるとしたら)タイプといえる。このような素因を持っていても、前述の桂枝系統、乾姜系統、白朮茯苓系統・・・の諸薬を根気よく使っていると、必ず体質は変わってくる。但し、精神、身体の震えがなおも多少残っている、あるいは日によって現れる場合は、桂枝、附子、各種発散剤の使用は控える。1ケ月3000円〜4000円(売薬で)以上は使う必要はない。市販の生姜、乾姜、にんにくなどの加工薬、養生酒の目的もほとんど同じであるが、熱症タイプの人にはお勧めできない。但し、本当かどうかは知らないが、冷え性の人は年中、生涯、体調不良で苦しみ、ぐちを言いながらも、人より長生きする人が多いと聞いている。
●筆者の考えでは、不安神経症とは脳内の毛細血管循環が何かの原因でうまく流れておらず、細胞内部に対する水分の出入りを通じた必要物質(栄養)と不要物質(廃棄物)との入れ替えがうまくいっていない現象であって、脳細胞が病んでいるということではない。一番ありそうな原因は、何かの悩みなどの原因で、一時胃腸不調になった。あるいは、中年以降生来の素質である冷え症状が強まってきた。体内の水分調節機能(除湿機能)が悪くなり神経の位置を保持するサポート細胞構造にひずみが起き、あるいは湿分により電気の不良導体(絶縁体)の機能が劣化して、神経細胞が正常に働きにくくなった(電気伝導がうまくいかなくなった)。従って、不安神経症を直すには、サポート細胞の湿分を除湿してやればよい。この理由は次の筆者自身の経験による。筆者は突発的な痰火内動時点から、常時猛烈な頭鳴に襲われるようになった。頭鳴発生のときからじきに、猛烈な神経不安症に襲われた。何も理由が無いのに頭内が不安感で一杯なのである。これは、温胆湯加減で根気よく駆水している内に2〜3ケ月くらいで自然に消えた。しかしながら、UCを治せないでいたときには、大腸の異常発生成分の湿分上昇圧力が天頂(頭のてっぺん)にまで昇りあがり頭鳴は頭内で鳴り響き天頂で湯気を出しているような(音)状態だった。温胆湯ではどうしても天頂部分から発する頭鳴を治せなかった。ところが、UCを100%治癒させた時点から、頭鳴が天頂にまで昇るということはなくなった。このような経験から、不安神経症は貴方の脳細胞が病んでいるためということではありません、脳細胞のベッドの環境が湿分で悪くなっているのですと自信を持って言えるのである。筆者も、神経細胞やサポート細胞、毛細血管、それを支える筋肉組織の構成を学んだわけではないので、その辺の記述は想像である。なお、上述の内容は、急性の不安神経症の場合であり、若年性、妊婦などの場合は又別の理由、処方がある(脳を含む体全体の栄養不足)。
●蛇足であるが、自律神経の乱れの大きな原因の一つである家庭内不和の原因は、夫婦、親子間の相互信頼が欠けていることである。信頼とは、社会活動の中では信用と呼ばれている。信用とは、まだ起きていない出来事を空想し、その空想を壊さないでいる状態を継続する作業である。即ち、家庭内不和の原因とは、当人の@空想能力(特に相手が考えていることが見える能力)不足とA信用の維持継続作業の欠如である。
もし社会では一流の立場である(エンタテーナーや人の心を理解していると思われている小説家などであってもよい。実際はどのような立場でもよい)当事者が相手からあなたは何も分かっていない人だから別れたいと言われたとしたら、次の理由による。当事者は、楽しい番組(映画)を見たら笑い、悲しい番組を見たら涙する能力は持っていることが大前提である。しかしながら、それだけでは精神が両者の間で循環しないのである。自分が見て楽しい、悲しい、腹が立つことは、相手も同じような感覚で楽しい悲しい怒ると感じているはずだと客観的な眼で知覚して、相手と情報交換するのである。もちろん、同じように感じていない場合の方が圧倒的に多い(およそ趣味が両者全く違うことの方が多い)。情報交換とは、たわいもないことでよい。こんなにおもしろいのに、あなたはおもしろくないの?うんおもしろくない。今日会社でこんなおもしろいことがあった。もちろん、相手は興味ないから、フーンで終わりである。でも、何回かに1回は、内の会社でもそれと似たような話があったよと相槌を打ってくれるかもしれない。今野菜が高くなっていてびっくりした。へーそうなのか。何の影響だろうか。きっと今年の気候の影響だな。フーン。それはそれでよいのである。これを毎日繰り返すのである。信用とは空想の実現化の期待を維持する継続作業であるから、小さなできごとに対する意志交換を毎日続けるのである。これを怠ると、相手は、精神の情報交換が無いので、他人(人の形をした物体、あるいは医者の相手としての患者)と暮らしているようで不安になるのである(立派な不安神経症である)。銀行員、商売人であれば、取引相手との日常の意志交換が如何に大事であるかよく分かるはずである。
先の一流の立場である当事者はこういうかもしれない。私は会社で人情家で通っているし、男女を問わず部下からもしたわれている。話も大いにはずむ。私は意志交換の達人のはずだが。それではあなたは、会社が不振になったとき、先ず最初に私(もし貴方が社長でも)を解雇してください。そして残った人でやってください。もちろん残った人も、辞めるのは給料の高い人からである。こうでなければ、人情家とはいえないはずだ。座持ち上手の人が座をリードして円満に貴方と貴方とがが辞めてくださいという結論を出せるだろうか。公務員の貴方が国の財政多難の折、私を最初に解雇してくださいと言うだろうか。何かのへ理屈を作っては、自分の進退はすこしでも先延ばしにするだろう。別にこのことを非難しているのはない。こんなことをしたら、立ち直る会社も立ち直れなくなる。結論的に言えば、労働による生産活動と家庭における消費活動は人類の活動の中で別種の活動なのである。これは、全ての生物にとって同じである。大体、会社の人と夜の夫婦生活、子供とのふれあい活動をしますか。家庭内(子供を含む)の信頼の構築とは、簡単に言えば、どうでもよいこと、雑談を相互に毎日続けることである。このとき、いつも同じ馬鹿なこと言ってと笑ってもよいが、互いに黙秘権(相手を無視すること)の行使は絶対にいけない。その中で、小さな問題が出てきたら、とにかく家庭内で相談して一時の結論を出し、その小さな約束を実行するのである。実行してみて、どちらかに不都合であれば、又相談するのである。何度でも何度でも相談し、役割分担や習慣を変えて行けばよい。特に年齢と社会的地位、社会情勢の変化に応じ、又両者の健康度、運動能力の変化に応じ、それらは随時変えるべきものである。、当事者には社会(労働)活動との関係で、家庭活動の中で相手をフォローできないことがあるからである。相談の中で、どちらかが一方的に我をはり続け、絶対に態度を変えないという態度はいけない。相手は、あきれはてて、相談をしようともしなくなるし、口もきかなくなり情報交換ルールは壊れてしまう。
この情報交換訓練を子供のときから両親から受けていない人は、自分は不幸せ家庭を作る予備軍であると思った方がよい。公平のために、年収はどちらも標準的である家庭であるとする。自分の生き方は、なんか自然に親が手配したり、片付けたりしてくれて、学校の成績もまあまあで、これといって家庭の中で不満を持ったりすることもなく、幸せな家庭だった。自分は両親をとても尊敬しているし、そのような家庭を作ることを夢見ている。このように育った人は、結婚前の交際を含めた社会活動まではうまくいっても、家庭生活では本当に危ない。ひょっとして、自分が育った家庭では夫婦間の関係がうまくいってなく(信頼構築ができておらず)、親の眼は貴方の成長のみに向いていたのかもしれない。ところが、自分の家では両親がつまらいことでしょっちゅうけんかし、けんかしていたと思っていても何時のまにか何事も無かったように、又くだらないことをしゃべりったり笑い合っていた。自分もしょっちゅう、いやなつまらない親の命令が出て、親に口答えをし、こっぴどく怒られていた。しょうがなく従っていたはいたが。但し、後者の例で重要なのは、大人同士の間では、力が強い方は弱い方に暴力を絶対に振るっていないことである。このような家庭では、夜の夫婦生活も自然に続くのである。筆者は、当然ながら後者の家庭の方をお勧めする。信用とは、神(シン)が作り出すものであるが、神(シン)の強さは、継続、忍耐、記憶などをになう腎経の働きによって維持され、深められ、強化されるのである。
家庭内の忍耐、継続の精神は、顔を合わせている間は1日も中断されてはならない。特に男性の家庭内での忍耐力は弱く、まず意志疎通中断期間は2〜3週間と知るべきである。意志疎通の中断とは、ある問題提起に対し、どちらかがその問題に応答をしない、無視する、どちらかが自分の親の意見や、権威あると考えている先生や書物のやり方の方を大事にし自分の家庭の新しいやり方の提案を受け付けない、両者で結論らしきものを出しても生返事をするだけで全く実行しない、せめると暴力を振るう、ふてくされる(子供と同じですね)、あるいは夜の夫婦関係を拒否する(これも子供と同じですね)。この家庭は外観的な家庭の保持はあっても、じきに崩壊する。この原因は、両方にその原因があるか、片方だけに原因がある場合がある。これは、精神の交換がうまくいかないことであるから、それはしぐさに現れ、最初に腎経が警戒信号を発し(大脳は最初のドキン程度では最初身辺に何がおきているのか分からないことが多い)、ところが、又無視、感情の抑圧、無視、感情の抑圧・・・と続いていくと、神(シン)がこれは大ごとだと判断する。そこからどちらかに精神不安が生じる。精神不安は精神現象であるから、両者が精神不安になる場合もある(これが自然)。どちらかに突発的な、あるいは積み重なったうつ病が発病する。
問題は、まともな家庭では、両者に精神不安が生じるのが自然であるのに、一方が全く相手の苦痛を理解できていない(理解する能力がない)場合があることである。うつ病の当事者の相手が全くその発病の真の原因(うつ病に到った論理)が自分にあることを理解できない(説明されても相手の苦痛に思っている論理が分からない)のである。常に自分の意見を持たないで育った人は、意見を持つということを言葉の意味としては知っていても、現に貴方の意見はと尋ねられても何も出てこないのである。仮に意見を出しても、それに執着し妥協しないのである(自分の意見なのだから変えれば意見を出した意味がないと考えてしまう)。社会生活の中では意見のリーダーでもないのに、家の中では常に自分の考えを絶対に譲らないという人もいる。この人も、相手の眼から自分の行動を見るという能力に欠けている(結局相手の考えているものが見えない、自分の眼に見えないものが本当に見えない、相手の心の中が全く見えない)のである。家庭生活(生産活動した後での消費活動)における継続的な情報交換の重要性を理解できない人を理解させることはなかなか難しい。
この結婚生活を含む社会信用の論理は、筆者が40年近くかけて、会計学、経済学、古来から続く医学、宗教、漢字の語源辞典、生物学における代謝過程、進化論、動物行動学などから作り出したものである。この信用の論理を第3者がうつ秒の原因が自分にあるということを理解できない人に説明してください。家庭内の情報交換の目的は、社会生活における情報交換の目的とは全くといってよいほど違います。生産活動における人間の役割と家庭生活という人間の役割の違いを自分たちで考えてください。家庭内の情報交換行為は、声が出て言葉を知っている人は誰でもできることです。毎日やるということが子供のときにできていない人にとっては、大変苦痛です。情報交換ができている家庭では、いざというときに、苦しみ、悲しみを理解しあう(別に一緒に嘆き悲しむということではなく、なんとなく相手の立場を苦しいだろうなと顔の変化を観て察する)ことができて少しでも気持ちで助けてやる、それをお互いに役割提供することによって、お互いが頼りになるのです。これが幸せな家庭(=実現すべき空想の目的)です。この理屈がよく分からないなら、夫婦、親子の間で、これはお金で買える、解決できるというもの(例えば、テレビ、おもちゃ、食べ物、日用品、家・・・)を一つ一つ消していってくさい。そして、お金で買うことはどうしてもできないものが残れば、それが幸せな家庭生活の目的です。少し足りなかったらそこを強化すればよいのです。何も残らなければ、そこの家の家庭生活は崩壊しており、一緒に生活する意味はありません。
蛇足の蛇足であるが、世間のお付き合いが何よりも大事(どんな世間からの出席依頼にも応えようとする)、世間の評判が何よりも大事という人がいる。そうしておけば後でもめごとがおきない。自分への評価を何かの方法で(あからさまではなく)高めたい。ほどほどにしている分はよいが、人によっては一種の性格異常にまでなっている場合がある。家庭生活の価値観が外向けの対応・評判の方に過度に傾いているのである。このような人は、外から観た人は貴方の**は、とてもやさしくて立派な人ですねとほめられる。外面はよいが内面は悪い。家庭内に居る者にとってはいい迷惑である。外面を良くする為には、迎合を期待する外部の人に平気で身内の(自分の言うことをきかないと(勝手に)思っている人)を悪く言うのである。当然このような人は、家庭内の人の行動都合や生き方を無視して、外部への対応の方を優先するので争いが起きる。昔、「うそをつく人々」という書物が出たが、筆者は帯文を見ただけで気持ちが悪くて本を手に取れなかった。
●うつ病のことを取り上げたのは、社会現象として多いことと、近辺にも大変多く見られるようになったことからである。
その後は、「本」の治療法となるが、一番の治療法は、実邪(裏に隠れている根本問題)を取り除くことである。例えば忙しすぎたのであれば休養を取るとか、職場を代えるとか、生き方の方針(生活のリズムや人生観、労働観)を変えることなどであるが、それができないので突発症状が起きたのであるから、難しいことが多い。しかしながら、生活の仕方、人生観が前と同じであれば、いづれ又同じ症状が再発するので、本となる原因を取り除く、変える(例えば人が見ていなくても妥協のない仕事のやり方をしているのであれば、人が見ていない場合は適当に息抜きするとか、新しい趣味を作って一時没頭するとか、お笑い番組を見て笑う(うつ病状態にある間は、見たくないし、笑えないが)とか、女性であれば他人とおしゃべりして心を開放するとかが一番良い治療法である。日光浴をしたり、山の空気を吸う、畑仕事をする、植物を含め生き物に触れることも大変よい。
これらの症状は内分泌液(自律神経を動かすホルモン)の異常により発症するものであるから、慢性となっている場合には、腎陽虚が関係していることが多いと思われる。腎陽虚が本である場合には、右帰丸加減により身体全体を暖めていくと、ホルモンの分泌が正常になってきて、徐々に沈んだ精神(あるいは常時不安感)が治ってくる。針灸治療により、腎経他を暖めて、身体の血流循環を高めてもよい。このとき神経上の風(震え)を伴っているときは、桂枝、附子、発散剤、強い補腎陽剤などは使わない方がよい。これらは熱性の強壮剤なので、神経上の風を引き戻す可能性があるからである。
なお、若年からの慢性の不安神経症(何も理由もないのに、常に不安感が強い)にあっては、清熱剤を使うと症状が悪化することを注意しておく。慢性の不安神経症は、筆者の考えでは、何かの原因で頭部における血液循環が悪くなっている(これも腎経の働き)ので起きる。その治療には、身体全体を暖め(特に下半身)、頭部における血液循環を良くするようにしていくと、自然に神経不安が取れてくる。頭部の血液循環不良の原因には、体内の湿分排除がうまくいっていないことが多い。これも脾腎陽虚によることが多い。そのことから考えて、急性の不安神経症は、突発的な内分泌液(自律神経を動かすホルモン供給や血液濃度、血管周りの筋肉組織)の供給異常により、脳血管の流動性に異常が起きた結果のように思える(筆者自身の痰熱動風のときの経験による)。
●急性臓器炎症の治療には、急性大腸炎と似たような治療法を用いる。なお、肝経の酷使、緊張(神経集中や争いなどによる)による突発現象の治療法は原因が違うので少し違う。成人の猛烈な急性アトピー皮膚炎では、三黄瀉心湯(効かない場合)→竜胆瀉肝湯(効かない場合)→大承気湯などを用いて、内臓全体を清熱し、さらに下痢により内臓の熱を水で流すとよい。なお、市販の危なくない塗り薬を併用するとよい。全治近くまでには皮膚の入れ替え期間が必要であるので、4週間前後はかかる(中医臨床シリーズ、アトピー性皮膚炎の漢方治療、東洋学術出版社、2000参照、及び筆者の経験による)。
●乳児、幼児、若年における近年のアトピー性皮膚炎の急激な増加に関しては、未だその原因が解明されていない。一説によると、水道水中の塩素の量が多くなったせいとも言われている。確かに塩素は細菌細胞を殺すわけであるから、人体組織を傷め、皮膚が元々弱い人に何らかの炎症を起こす可能性はある。
その症状の「本」には腎経(真皮中の皮脂腺の働き)が必ず関与しているはずと筆者は考えているが、その発病論理と治療法は未だ構築していない。多分、皮膚皮脂腺の更新再生をうながす成分を含む補腎陽剤と皮膚皮脂腺分泌物の基礎成分を含む薬剤である補腎陰剤(又は肺経の補陰剤)を見つければよいのではなかろうか。あるいは、汗腺の分泌異常とか、排尿能力不良とかの原因もあるかもしれない。確かにアトピー性皮膚炎には親からの遺伝体質の影響はあるようだ。しかしながら、現在は治療法が見つからないので、遺伝子が現状の体質を決めているのであって、治療薬が見つかれば、体質は変わるのである。それはUCの場合と同じである。一例として、乳児のとき(生後1〜2月以内)に、体が湿疹により真っ赤になったことがあり何年もその性状が続いて、アトピー性皮膚炎と診断治療されたことがあった(結局、治るようなものではなかったが)。今から考えると、その原因は、風水であり、まさしくこれは防己黄耆湯(あるいはもう少し清熱性(四苓散など)の駆水剤中心の処方)の症であったと考えられる。ありは、水道水のせいだった?
本項の内容は、筆者が中医学関係の多数の文献を網羅して調べ上げ、その結果を述べたということではなくて、中医学の原典から基本構想を得て、人類、それ以上に生物全般の活動現象にあてはまるように筆者が新しく独自に理論構築した生物活動理論体系の論理からの回答を述べたものである。そうであるから、色々な説明の中で、中医学ではそう教えてはいないという部分もあることを承知されたい。筆者独自の理論は、折をみて別章にまとめたい。
●神経細胞の存在空間(ベッド),(サポ−ト細胞(グリア細胞)の基質の性質。電気の絶縁作用、神経細胞の位置固定作用)における物理性質と神経細胞内の作用(通電作用)、及びそれらの環境維持をになう毛細血管機能の働きについて、筆者は未だほとんど無知なので、上記の記述は生物学常識の最低レベルにも到っていないことを念頭においてください。今のところ、「頭部の血液循環作用が悪い≒体内の湿分排除がうまくいっていない」とは、脳神経細胞のベッド(グリア細胞)に神経伝達に邪魔な不要湿分が紛れ込んできて、ベッドの変形が互いの神経細胞の相互位置関係に微妙なひずみ変形を与える(追突事故の後遺症のような状況)、ベッド内の湿分が神経パルスの伝導性に微妙な悪影響(一部の漏電や電流切断)を与えるというようなことではないだろうかと解釈してください。例えば膝頭の寒痛(膝頭を指で押すと血行不良のためか皮膚下が痛い)は、血液循環が悪いと説明しますが、そこで起きているようなことが、五感器官通路で起きている。あるいは猛烈な風邪の最中には思考時持続能力の喪失が起きますが、そのようなことが神経不安では常時起きているのでなかろうか。それで神経細胞のベッド(グリア細胞)内の湿分を正常に排除すれば、全ての神経細胞機能が回復するというようなイメージです。いづれもう少し勉強して修正します。
最後に、長い間お世話になった山形県酒田市在住の「元エビスヤ薬局店主」、小池富二夫氏に深甚なる謝意を表する。本文の論述の中で、今まで世界で未知であった部分は別にして、もし学問上、治療上の不備の点があれば、それは筆者独自で為したものであり、他者の責を問うものではない。
2011年10月10日発表。適宜改定中
(c) Dec. 2003, Yuichiro Hayashi