東洋医学

潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis:通称 UC),過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:通称 IBS)の治療方法

(2)現代医学によるIBS, UCの治療方法

薬物療法

下表は,潰瘍性大腸炎(ウイキペディア)と踊れ難病患者(http://www.nanbyou.net/ue/naika.html)より合成。潰瘍性大腸炎の皆さんへ 回腸嚢炎(ポーチ炎)(http://kaiyouseidaichouen.fc2web.com/uc.html#naika)も参照されたい。

薬 剤

説 明

サリチル酸製剤 緩解維持療法・緩解導入療法共に使用される。

サラゾスルファピリジン(Salazosulfapyridine:SASP サラゾピリン® Salazopyrin)

サラゾスルファピリジン(SASP)は、約1/3が小腸で吸収され、大腸で腸内細菌によってSPと5-ASAに分解されて腸管粘膜に作用する。
潰瘍性大腸炎の治療に一般的に使われるのが5-ASA製剤(5-アミノサリチル酸製剤)です。なぜ効くかは不明らしいです、粘膜を傷つける活性酸素を減らしたり、炎症をひどくするサイトカインを抑えるとか言われています。ペンタサより副作用が多いと言われていますがステロイド剤よりは余程軽微です。また、なぜかペンタサよりサラゾピリンの方がよく効くという人も居ます。甚大な副作用も報告されていますが実際には稀です。体に合わない場合はすぐに症状を主治医に伝えてペンタサに代えてもらいましょう。座薬も有ります
メサラジン(Mesalazine・5-aminosalicylic acid:5-ASA ペンタサ® Pentasa アサコール® Asacol)
サラゾピリンから有効成分の「5-ASA」を取り出した新しい薬です。サラゾピリンよりも副作用が少なく安全だと言われています。薬の強さはどちらもあまり変わりません。サラゾピリンやステロイドより直腸の炎症に効きにくいと言われますが、そういう場合はペンタサ注腸も有るので試されると良いかもしれません。
副腎皮質ホルモン剤・ステロイド ステロイド療法

ステロイドは最も潰瘍性大腸炎に効く薬です、これ無しでUCの治療はできません。ただし、非常に恐ろしい副作用がたくさん有るので、使用には注意が必要です。(ちなみに、副腎皮質ホルモンは一日にプレドニン換算で5mg(1錠)が副腎から分泌されていて、体にストレスがかかると更にたくさんの量が分泌されて体を守ります。)

プレドニゾロン(Prednisolone プレドニン® Prednine)を経口内服または点滴静注する。

ステロイドパルス療法

強力な緩解導入療法として、主にメチルプレドニゾロン(ソルメドロール® Solumedrol)やハイドロコルチゾン(ソルコーテフ® Solu-Cortef)等を用いて行われる。
局所治療:坐剤・注腸剤としてリンデロン®、ステロネマ注腸®、プレドネマ注腸®がある。特に直腸炎型の場合は、ステロイド経口内服に比較して全身吸収が少なくステロイドの副作用が大きくないため有用である。
免疫抑制剤 以下は主に緩解導入療法に用いられる。非常に効果的な薬であるが血中濃度測定が必要であるため使用出来る医療機関は多くない。
  • タクロリムス(Tacrolimus:FK506 プログラフ® Prograf)

以下は主に緩解維持療法に用いられる。

  • アザチオプリン(azathioprine:AZA イムラン® Imuran)
  • メルカプトプリン(6-mercaptopurine:6-MP ロイケリン® Leukerin Purinethol®)
  • シクロスポリン(cyclosporin:CsA ネオーラル® Neoral サンディミュン® Sandimmun)

 

分子標的治療薬 以前からクローン病で用いられてきた。緩解維持療法・緩解導入療法ともに用いられる。
  • インフリキシマブ(Infliximab レミケード® Remicade)

 

血球成分除去療法 [編集] 透析を用いて、患者の体外に血液を循環させ、炎症を起こす免疫細胞(顆粒球・単球・リンパ球等)を血中から取り除く治療法で、緩解導入療法として薬物療法と共に行われる。また、薬物抵抗性(ステロイド抵抗性)の場合においても治療効果は高い。

白血球除去療法は潰瘍性大腸炎患者の大腸を攻撃する活性化した白血球を血液からこし取る治療法です。人工透析と同じ原理で血液を体外循環させ、血をきれいにしてから戻します。

  • 白血球除去療法(Leukocytapheresis:LCAP セルソーバ® Cell-sorba)
  • 顆粒球除去療法(Granulocytapheresis:GCAP アダカラム® Adacolumn)

保険適応は潰瘍性大腸炎の活動期の病態の改善及び緩解導入で、1連につき10回または11回施行できる。通常週1回ずつ行うが、週2回以上施行する方法も有効な緩解導入療法として行われてきている東洋医学

 

IBS, UCの原因が分からないのであるから,上記の薬剤は全て,病気そのものを治すものではなく,患者の苦痛を和らげる目的のものである。筆者の見解では,真の病因を逆に悪化させているものがあるようである。

(c) Dec. 2003, Yuichiro Hayashi