<①ストラクチャー(建築物)作り>・・・ジオラマの本質:具象にする?抽象にする?
主な材料:0.8mm/1.0mm木板(或いは厚紙)、マッチ棒、瓦屋根素材、エナメル塗料
主な工具:カッター、定規、木工ボンド、筆
なんといってもジオラマに欠かせないのがストラクチャーです。そしてストラクチャーを決めることがレイアウトの本質です。
ストラクチャーの配置から線路配置を検討するほうが圧倒的にジオラマのイメージがつかみやすくなり、楽しい作業になります。
そして、欲張った線路配置ができないことに気づき、冷静にリアリティを求められると思います。従って、ジオラマで最初に考えるのは、
「どんなストラクチャーを使うのか」です。リアルの再現には、実在の風景からストラクチャーを決めると一から創造しなくてよいため案外楽です。
そして題材はネット検索(StreetView等)でいくらでも見つけることができます。
但し、ストラクチャーを作るのは時間の掛かる作業で、スクラッチ(ゼロから)で組むとなると情報収集からスタートし図面を描き、一つづつ部品を作る忍耐強さが必要です。
覚悟の無いときは、トミーテックのジオラマコレクション等を購入して済ますという手がありますが。。。。
(釧網本線のジオラマはジオコレ使用)
思うに、写実(具象)と空想(抽象)の差があります。実在の風景からストラクチャーを作るのは写実、ジオコレで済ますのは空想です。既製品ではストラクチャー外の風景を創造
しなくてはならず、リアリティをだすために大変な苦悩があります。得て不得手があるとは思いますが、一般的には具象を訓練した結果として技を得て、
抽象創作のリアル感がだせるようになるのだと思います。簡単な小屋からでも完全な
オリジナルを誇れるスクラッチにトライしてみませんか。
[1/150スクラッチ(
茨城交通阿字ヶ浦駅舎 2020/4)]
(壁他:0.8mm木板(崎陽軒シュウマイ弁当のふた)、柱:マッチ棒、
屋根:グリーンマックス瓦屋根、
塗装:タミヤエナメル塗料
ちなみに、目の良さと指先の器用さは、ジオラマ作りに欠かせません(筆者も既に老眼です)。この点に関しては最近安価で購入できる3Dプリンターや
レーザーカッターという道具で補うことを試しています。最新ツールを使用した具体的なストラクチャー作りのノウハウは別途紹介したいと思います。
建築物の他に、ストラクチャーには情景小物も作る必要があります。柵や電柱・踏切警報機など、いろいろなメーカーから1/150モデルが販売されているのですが、既製品は
あまりリアルな形状をしていないものやスケール感が合わないものが多く、しかも在庫切れで待たされたりします。小物なので後で考えればいいか、と思わずに建築土台を作る工程までには
造っておきます。微細なものが多いので、殆どは長材の組み合わせ(貼り合わせ)で作れます。0.8mm木板や0.3mm/0.5mmプラ板
(タミヤ プラバン)を必要な幅でカットして細長い材料を作っておき、その長材から長さを
カットして部品を作ります。各部品は小さくて扱いにくいので、マスキングテープのノリ面に貼って組む形を整えて、楊枝の先端で接着剤を流します。接着剤が完全に乾く前で、部品が崩れない
くらいの粘着が得られているタイミングで、ピンセットで慎重にマスキングテープを剥がします。部品を剥がそうとするのではなく、マスキングテープを少しずつ折りながら剥がすようにするのが
コツです。
写真の柵やハシゴは、マスキングテープと一緒に取れれてしまう部品も出てきますが、7~8割の部品が組まれていれば問題ありません。完全に乾いた後で、取れた部品を付け直して完成させます。
[柵とハシゴ]
踏切警報機は少し部品が多くなりますが、同じ要領でつくることができます。ランプの円板は、3mm丸棒を輪切りにして作り(写真はプラモデルのライナーの輪切り)ます。また実物が丸パイプ
のポールや遮断棒は、角棒(切り出した長材)で作っても見た目に判りませんし、転がらないので作業しやすいです。それぞれの寸法は、方眼マット(10mm)から想定下さい。
[踏切警報機]