阿智神社前宮は
昼神温泉郷の中にある。昭和62年に社殿を改築し、鳥居・灯籠など参道の整備を行った。参道には、
海音寺潮五郎の歌碑(山本慈昭筆)や、由緒を解説する絵図、見晴台がある。社殿裏のマレットゴルフ場の上が温泉公園で、江戸時代から祀られる湯屋権現や、生物供養之碑、出湯之碑(吉村午良筆)がある。
潮五郎歌碑は、南陽飯田の後学に碑文を寄せられた際に合わせ贈られた座興のような作品だが、逝去直前の遺作である。長岳寺住職で中国残留孤児探しに尽力された、
山本慈昭氏の書で刻まれている。
みすヾかる信濃の国は山近し
どちらむいても山山山ぞ
湯屋権現は、湯嶋という場所に祀られていた水神様で、正徳元年(1711)の文書にも記されている。江戸時代にも湯治客があったと伝えられる。昭和48年に
飯田中津川鉄道のトンネル地質調査で温泉が再発見され昼神温泉郷として賑わう様子を、温泉公園の丘から見守っている。
→ 「阿智の産土神」
阿智神社奥宮