名木「あふちの木」が枯れた

 村の天然記念物に指定されていた「浄久寺のあふちの木」が枯れました。目通り直径63p、樹高13mのこの木は、当地方にはまれな大木で、別名を「せんだん」ともいいますが、「せんだんは双葉よりかんばし」といわれたせんだんの木とは違種で、特に芳香はありません。

 この木がいつ、どうして植えられたのかについては何の伝承もなくわかりませんが、この木のすぐ上の段に寺子屋師匠の後藤参平の筆塚(報徳碑)樗街(ちょがい)塚があるので、この建碑と関係があるのではないか、というのが有力な説です。
 樗はあふちのことであり、参平の雅号が樗街で、これは安布知の関に因んだ駒場の街を意味する雅号です。

 村の文化財調査委員会では現地調査をして、所有者の浄久寺と共に枯死を認定しました。教育委員会の認定で正式に指定解除となり、以後の処分は所有者に一任されましたので伐採され、浄久寺客殿の用材として使用されました。  (S60・8)

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ありし日のあふちの木