網掛峠の蛇こぶ杉の切り株
網掛峠は古代東山道時代からの幹線経路で、坂上田村麿や伝教大師も通った信濃坂の一地点です。
この峠に蛇瘤(こぶ)杉という目通り6.6メートルの巨木がありましたが、昭和28年10月老衰を理由に伐採売却されました。写真はその切株で、昭和62年3月林茂伸氏が撮影したものです。
この蛇瘤杉には哀れな伝説があり、かつて網掛権現と藤野戸に関する「おうえ」の家伝記をとりあげましたが、その家伝記には網掛峠に松の大木があったと記されていて、杉のことは一言もふれていません。しかしその松に関する伝説は近江の琵琶湖にかかわりがあり、蛇瘤杉伝説と類似しています。 (H7・4)