うつぎの花の咲く関跡
駒場の大品坂は、古代東山道の時代からの経路です。江戸時代には、伊那街道とか三州街道又は飯田街道と呼ばれ、荷物を運ぶ馬「賃馬」が多く通ったことから中馬街道と一般にいわれた道にある坂道です。
「おおしな」坂という古代の床しい地名はいつまでも伝えたいものです。
この坂道の途中に「あふちの関」があったという伝承地があり、ウツギの古木があります。
むかし西行法師がこの関跡を通り、ついて来た杖を突き刺して、「この木から芽が出るころには都に帰り着きたいものだ」といって立ち去ったという、まことしやかな伝説があります。
さかさに突きさした杖から芽が出たので「さかさうつぎ」とも言われ、駒場の小唄・民謡によく歌われております。
今も初夏の頃には白い八重の花を咲かせます。 (H6・3)