煙火の木筒

 村誌の写真撮影に備中原の春日神社へ行ったとき、本殿の覆屋の一隅にあったこの品を、公民館主事のHさんが「これ、何ですか?」という。言われて見れば「タガの化物」で二十歳代の人が知らなくても不思議ではありません。

 伊那谷はどの村でも花火を打ち上げるのが好きで、秋祭りのころは毎晩のようにどこかの神社で煙火を打ち上げました。私の幼いころは間のびのした遠い空の花火を、うすら寒い夜風の中でじっと待っていて見たものです。
 村中の煙火筒を資料館に集めたら壮観であろうと思われます。  (S58・2)

表紙に戻る 総合目次 足あと 7章 愛郷 6章 さんまのメモ 更新記録