七久里の山の神
阿智村の七久里は、村の東端にあって三十数戸の集落ですが、集落の神として山の神を祭っています。いつごろから祭られたのかわかりませんが、江戸時代初期に社の森の立木をめぐる出入(争い)の文書が残っていますので、それ以前であることは確かです。昔は「森」といえば神社の森のことで、「森脇」といえば社の脇にある家ですし、「森下」といえば社の下手にある家という意味と考えてよいでしょう。
この社祠(ほこら)は、間口五間ほどの平屋(集会所)の中に納められていましたが、先年新しい集落センターができてそちらへ遷宮されました。この平屋建ての建物は、地芝居の舞台にも使われたらしく、前面に広い草地があって見物席を偲ばせます。
写真の樹木はイヌツゲで樹令約250年、村の天然記念物に指定されており、その陰に白隠禅師筆の金毘羅権現碑(村文化財)があります。 (H4・10)
→ 阿智の産土神 『山の神社』