明治末期の神坂神社

 園原集落の奥まったところにある神坂(みさか)神社は、住吉明神を祀る古い神社ですが、創建の時期は明らかでなく、この山の中に海の神(航海神)を祀った由緒もなぞにつつまれたままわかりません。

 この写真は、明治43年に刊行された「園原和歌集」の巻頭にあるもので、明治41〜42年の撮影と推定されます。格子戸のような建物は、明治22年に再建した本殿を保護するための覆屋(ふくおく)で、本殿を建造したのは俗に「木曽亀」といわれた坂田亀吉という宮大工、虹梁や欄間の透彫が精巧で美事です。

 社前の大杉は90年の間に少し太った感じですが、栃の木は画面から外れていて見えません。石灯籠の向こうに見える角柱は「日本武尊駐躇(ちゅうひつ)之旧蹟」の石碑、左端には御柱らしい木柱が写っています。 (H7・6)

 → 「阿智の産土神」 神坂神社

明治末期の神坂神社

現在の神坂神社

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