京極夏彦氏の作品はかなり前から興味があったんだけど、本屋で見
るとその分厚さが目立つので敬遠していた。普通、1000ページあっ
たら「上巻・下巻とかに分けるだろっ」と思うようなのが1冊だか
らね。何巻もある作品でも普通に読めるんだけど、やっぱり分厚さ
いと迫力あるよ。
で、デビュー作と2作目の作品である「姑獲鳥の夏」と「魍魎の匣」
を続けて読んだ。
ネガティブなほうの感想としては、
語り手役の小説家の関口と主人公の京極堂だけならまだしも探偵の
榎木津や刑事の木場などの人物が全て旧知の間柄で、それぞれが
たまたま偶然に事件に関わっていくのがなんとも出来すぎ。
特に魍魎の匣はそうだった。
あと、純粋に読み手が推理できるような類の作品ではない(真相が
明らかにされる段階で初めて語られる事実もある)のでその辺は割
り切って読まざるを得ない。
とはいえこれらがエンターテインメント性を損なうわけではない。
戦後まもない時代を舞台にして、古本屋であり陰陽師でもある人物
が主人公で、怨霊とか魍魎のにおいがプンプンする雰囲気が好きだ
なぁ。
これからも氏の他の作品を順次読んでいくつもり。
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