ズール
 Zuhl
 1990年3月3日


武器博物館へ

ありとあらゆる種類の銃がびっしりと展示されています・・・

武器博物館へ

 ワイマールを発って次の目的地アイゼナハへ行く途中、チューリンゲン地方南部の小さな町ズールへ立ち寄ることとしました。ここには武器博物館があるのです。本物の銃器が展示されているということなので、「もと男の子」としてはついつい心惹かれるものがあります。日本ではこの手の施設を作ろうとすると、すぐ軍国主義化などといわれてなかなか実現しませんものね。

武器博物館遠景 山あいの町らしく、ワイマールあたりよりかなり寒くて雪も降っていました。昔ながらの山小屋風建築と共産主義様式の建物の対比が妙な感じ。
 西ドイツ国境が近いせいか停まっている車も西側のものが目立ち、なぜか陽気でおしゃれな黒人がたくさん歩いていました。
入口オブジェ 博物館の入り口ではかわいらしいウサギのオブジェがお出迎え。でもお前って銃で撃たれる立場じゃないのか。そんなにニコニコしていていいもんだろうか。
入口 博物館の玄関。武器博物館(Waffen Museum)と表示されています。 重機関銃 いきなり重機関銃。しかもいくらでもさわれる状態での展示です(さわらなかったけど)。なかなか大胆な取り扱いですが、これがドイツ人の感覚なのかもしれません(後年ドイツ再訪した私は、白昼堂々短機関銃にさわらせてもらうことになります)。
 この銃は、全自動式マシンガンの発明者として有名なアメリカ人マキシム(Hiram Stevens Maxim 1840-1916)により、1908年に製作されたものです。1914年から本格的に使用され、第1次大戦時の激戦地ソンム(ソンム会戦は1916年7月)で戦死したイギリス軍6万人は、大半がこの機関銃によって殺されたのだそうです。まさに大量破壊兵器のはしりといえます。
ルガー拳銃 ルガー拳銃。ゲオルク・ルガー(Georg Luger 1848-1923)が先行発明を改良して実用化した、尺取り虫式の装弾方式でよく知られています。この展示品はやや銃身が長く、上のホルスター兼銃床と組み合わせて小型のライフル銃的な使い方もできるもののようです。 競技用拳銃 こちらはぐっと平和的になって、競技用の拳銃。どこ製のものかはメモをとらなかったのでわかりませんが、ワルサー(ドイツ語風ならヴァルター、Carl Walther 1860-1910。ちなみに彼はズールの近くツェラ・メーリスの生まれ)かな。
銃の展示 古今東西、ありとあらゆる種類の銃がびっしりと展示されています。 オットー・ディックスの絵? 館内に展示されていた反戦的絵画。オットー・ディックス(Otto Dix 1891-1969)のだと思いますが確信はありません。この博物館は決して兵器オタクのためのものではありませんよというアリバイのために掲げられたのでしょうか?

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