1990年2月28日
ヨーロッパで初めて磁器が作られたところ・・・ | |
「ヨーロッパ中世のお城」そのものという感じ・・・ |
マイセンといえばヨーロッパで初めて磁器が作られたところ、そして今でもその一大産地として有名ですね。ドレスデンからは電車ですぐのところですので、午後一杯をかけて日帰りの小旅行をしてきました。
マイセンの駅をおりてしばらく歩くと、町のはずれの小高い丘の上に城が見えてきます。アルブレヒツブルク城です。
天気もよく、ちょうど城に夕日が当たって、絵のような美しさ。 この城は15世紀末の創建。後期ゴシック様式をよく残しています。まさしく我々日本人のイメージにある「ヨーロッパ中世のお城」そのものという感じです。 |
しかし、この城には暗いエピソードも。18世紀、例のツヴィンガー宮殿を建てたアウグスト強王が、ここに工房を設けて磁器制作の研究をさせたのですが、その担当者であった錬金術師ベットガー(ヨハン・フリードリヒ・ベットガーJohann Friedrich Bottger)は磁器製法の秘密を守るため幽閉され、37歳の若さで外に出ることなく死んでいます。 |
エルベ川に架かっていた橋。その名も「ドイツとソビエトの友情の橋」ですと。ドイツ統一後はどうなったんでしょうか。 |
昼飯を食べようと入ったアルブレヒツブルク城構内のレストランで、デュッセルドルフから来たというドイツ人夫婦と相席になりました。奥さんを介してつたない英語でひとしきり会話しました。
男性の方は実は御当地生まれ、11歳になるまでここにいましたが、1953年6月17日にベルリンの壁が建設されるに至り西側へ脱出、この時やむなく残してきた祖母に37年ぶりで会いに来たのだということでした。彼は東じゃやたらと行列が多くて困る、西ではこんなことはない、などとぼやいていました。陽気な感じのつきあいやすい人たちでした。そういえば、東ドイツに入ってからこんなにうち解けた開放的な人を見ていません。やっぱり体制が人の性格を変えるのでしょうか。
この時はあまりお金もなく、なにより夕方のことでしたので、マイセン磁器の工房を見学することができませんでした。
後年ここを再訪してじっくりと楽しむこととなります。