Planning17 【パートナー選び#2 K建築士】

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土地を見ていただいた直後,早速K建築士からラフプランの提示がありました.
予算的なこととHydeがこだわりを持っている部分については先方も重々承知されていたのですが(やはりKumadonとよりHydeと話した時間の方が圧倒的に長かったと思いますので…),HydeとKumadonが色々細かい部分について持っていた要望ついては,残念ながらあまり反映されていませんでした.
しかしこれは仕方のないことかもしれません.
細かい希望を箇条書きにしたメモをお渡ししていた訳ではなく,お会いした時に,折に触れてちょこちょこ話した程度でしたから….

もう一方のN建築士は,現在抱えている新築の仕事が最終段階にあり,ラフプランはそちらの仕事が一段落するまで待って欲しいとのことでした.
勿論Hydeとしては,無料でラフプランまで作って頂く立場ですから,その申し出を断る理由はありません.
そんな訳で,N建築士のラフプランの提示を受けるまで,K建築士とプランのやりとりを行うことになったのです.

ここでHydeはちょっと心配になりました.
ラフプランとはいえ,K建築士は最初の提示で3案ほど作ってくださっていましたので,これ以上お手間をかけさせてしまって良いものかどうか?
もっと俗物的に言うなら,「これ以降の相談にはフィーがかかってくるんじゃないか?」との心配です.
しかし,Kumadonと煮詰めてきた要望を伝えることなく,現在のラフプランだけで判断してしまうのは忍びなく,もう少しこちらの要望を的確に伝えられれば,もう少し違ったプランを作っていただけるのではないかとも考え,要望書をメールにてお送りし,ラフプランを手直しして頂くことにしました.(勿論同じ条件となるよう,同じ内容の要望書をN建築士にもお送りしたのは言うまでもありません.)

K建築士としては,Hydeがかなり予算のことを心配していたのを考慮してだと思いますが,あくまでも予算内に収められそうなプラン−具体的にはローコスト住宅で取られるシンプルな間取り,即ち,方形で可能な限り壁面の面積を最小にしたプラン−を提示してくれた訳です.
また,概算的な建築費の目処として,首都圏の工事費単価(金融公庫資料)よりも低い額で設定されていましたが,予算内で収めるためには建物規模の縮小が不可欠であり,我々の欲している間取りを実現させるのは予算と面積の関係で困難であるとのニュアンスを受けました.
Hydeとしては,安易な予算の増額はなるべく避けたいところではありますが,今まで何度となく行ってきたローンシミュレーションの結果から,多少の増額には耐えられると判断していましたが,もう少し予算について具体的な数値を使って考え直す必要性を痛感しました.

土地・家の取得には諸経費(諸費用)が不可欠です.
どこまでを諸経費とするかは考え方にもよるでしょうが,登記関係・税金関係(印紙代・取得税等)・融資(ローン)関係・保険関係などが挙げられると思います.
その他にも式典や引っ越しなどにも費用は必要になるでしょう.(今回はここまで入れて諸経費と呼ぶことにします.)
総予算は諸経費まで含めた予算ですから,総予算から土地代金と諸経費を差し引いた残りが建築費の予算です.
ちなみに建築費は大まかに分けて,設計監理費・本体工事費・付帯工事費・消費税の合計で考えます.
HydeがK建築士に提示した建築費の予算額は,総予算から概ねこの程度の諸経費がかかるであろうという額を減額したものです.
ここで減額に使った諸経費の予想値は,当時よく分かっていなかったこともあって,(今思うと)かなりの余裕をもって多めに設定していました.
この多めに設定した諸経費分をより具体的な数値にすることによって,実際に建築費にまわせる額を増額して提示できれば,多少なりとも我々の希望に近いプランの提示をお願いできるのではないかと考えた訳です.

そこで,現在予想している諸経費額(色々調べて以前の予想より減額)と多少の予算の増額も視野に入れる旨を伝え,建築費にまわせるであろう金額を再提示(増額)して,この予算配分の妥当性を質問してみました.
どうもラフプランの話から予算の話にシフトしてしまっています.
このあたりから,ちょっとずつ,K建築士とうまくコミュニケーションがとれなくなっていったように思います.
これはHydeが感じただけで実際のところはよく分かりませんが,K建築士はあまり個人邸宅の経験がおありでないのか,予算関係について精通なさっていないとの印象を受けました.
確かに建築士の業務は,建物の設計をし(設計業務),その設計が形となっていく過程を監理すること(監理業務)であり,予算配分についてあれこれ言うのは業務の範疇でないのかもしれません.
しかしHydeとしては初めての家創りで,右も左も分からぬ赤子のようなもの….
他に相談できる方もいらっしゃらないし,その辺のところも的確な(不安を払拭できる)アドバイスがもらえれば,心強いのですが….

何度か予算的な話をやりとりしていましたが,プラン的にはあまり進展がありませんでした.
そんなある日,K建築士から「懇意にしている不動産屋から土地の出物があり,価格的にも都市公団の土地より安いのでどうだろうか?」という趣旨のメールが入りました.
時期的には都市公団の資格確認を済ませ,本契約をする3週間程前のことです.
この申し出にはさすがに戸惑いました.
もう既に都市公団の土地を購入するつもりで資格確認も済ませ,資金計画の方向性にも結論が出ていましたから….

…と思っていた矢先,既にK建築士は土地を見に行き,その概要を報告してくれました.
行動が早いです.
場所的にはT電鉄の支線の終点で,都市公団の旧分譲地内,2[m]弱ですが道路より敷地面が高いので地下車庫のプランも可能性有りとのことです.
一気に興味が湧いてきて,早速見に行ってきました.
報告の通り閑静な住宅街で,地下車庫も造れそうな敷地です.
周辺環境も,近所に大型のスーパーがあり,駅まで徒歩で出られます.
生活環境は今回Hydeが当選したところよりも良さそうです.
ちょっと眺めが悪いのが難点でしょうか….
価格的にも2割弱安いので,ちょっと気持ちが揺らぎました.

しかし結局はこの土地はお断りしました.
理由は資金計画に帰するところが大きかったです.

これらの理由を明記し,この土地は見送る旨のメールを送りました.

都市公団の土地に当選しておらず,最初にこの物件を紹介されていたのでしたら,間違いなく飛びついていた物件であったと思います.
このあたりが土地選びの難しいところであり,縁が有るか無いかの境目になるんでしょうね.


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