ハーミットパープル HERMIT PURPLE:隠者の紫

2004/07/10改訂

本体名:ジョセフ・ジョースター

第2部主人公、プロフィール8巻P102、
第3部時点では69歳、不動産会社社長

能力:遠くの地を念写するイバラのスタンド

スタンド形成法射程距離パワー
能力顕現体 10m程

告知

知性の信号

「ジョジョ」の世界において、世界内にあまねく遍在し、物質や生命に宿っている霊的な力である「知性」。これら知性は、それが宿っている物質の姿を自らの仮の姿として存在している。そしてこの状態にある知性は、太陽が絶えず光を放射し続けているように、自らの存在状態を「信号」として絶えず周囲に発し続けている。

信号は、物質のような「実在」も持たず、またその内容が発信元の知性と寸分違わず同質であるという点で「自由」も持たない存在である。信号は太陽光と同様に、放射源の知性から遠ざかるほどにその強さは弱まっていく。また、放射された信号は他の物質に宿る知性に当たることで、相手の知性に自分の信号内容つまり発信元の知性の内容を混ぜるという性質を持つ。そして信号を混ぜられた知性は以降はその混合された状態の信号を発するようになる。(ただしこれによる対象の知性状態の変化は表面的なものであり、本質的な領域までもが塗り変えられてしまうことは無い) 

これにより、機械や肉体といった「ある構造を長期的に持つ物体」は、その物体内で元素の一つ一つ、部品や組織の一つ一つが互いに信号の影響を及ぼし合って「信号の共有化」が行われ、結果その物体は構造体としての知性を宿し、構造体としての信号を発することになる。また、以上のことから一つの構造体から発せられる信号は一種類ではなく低次から高次への「レベル」があり、例えば機械の場合、それに使われている金属やプラスチックはその種類ごとに「素材」レベルの信号を、機械を構成する部品の一つ一つは「部分構造」レベルの信号を、そして機械自体は「全体構造」レベルの信号を、それぞれ発していることになる。

スタンド解説

■本体ジョセフの手から生えるように現れる、トゲの生えたツタ状の「イバラ」のスタンド。遠く離れた地の映像をカメラなどを使って写し出す「遠隔念写」の能力を持つ。この「イバラ」の形状は、テレビのアンテナが電波を受信するように遠くの物質(に宿る知性)が発する微弱な「信号」を集める「受信装置」として働き、且つ物質に受信した情報を描き出す「描像装置」としても働く。

■「ハーミットパープル」は、ジョセフの祖先であるジョナサン・ジョースターの肉体を乗っ取った吸血鬼DIOに目覚めたスタンド能力が「信号」としてジョセフに伝わり、この「ジョースターの血の繋がり」がスタンド能力化したものである。このためこのスタンドはもともとはDIOからの信号だけを受信し、DIOだけしか念写できない能力であった。だが、ジョセフが能力の扱いに慣れていくにつれ、この能力はDIOに限らず何でも念写できるようになり、また念写の手法もだんだんと高度になっていく。(詳しくは下記の「念写」使用例を参照のこと) 

■「ハーミットパープル」が念写を行うためには、念写しようとする対象と同質の信号を発する物質が「媒介」として手許に必要となる。イバラのスタンドはこの媒介と「同調」することで、ラジオのチャンネルチューニングのように必要な信号のみを選別し受信することが可能となる。上記の理由から媒介は、「念写対象の一部」または「念写対象と全く同一あるいは非常に近しい構造・性質を持つもの」でなくてはならず、念写対象に関する「情報」などは媒介にはなり得ない。(例えばある人物を念写したい場合、その人物の「体細胞」からは念写可能だが、「名前」や「居場所」からでは不可能である) なお、「ハーミットパープル」の本来の使用法である「DIO」の念写の際には、当然同じ「ジョースターの血統」であるジョセフ自身の肉体が媒介となる。(もっとも、同じ血筋とはいえ結局は別人である「血縁者」の念写は、ジョースターやディアボロのように「血縁者同士が近くに居るだけで互いに存在を感知できる」ほどの強力な血筋でなければ不可能と思われる) 

■「イバラ」のスタンド体は16巻での「エンプレス」戦以降、ロープのように長く伸ばし出せるようになり、物に巻き付けたり波紋を流すなどして戦いに利用されている。「能力顕現体」であるイバラは形成に本体肉体を使用していないため、引きちぎられたりしても本体にダメージを返すことはない。(なお、形成に本体身体を利用していないこのイバラがなぜこれほどの強度を持つのかは不明) 

■最後に、本編中でのジョセフとDIOの念写使用例を全て挙げておく。

◆13巻P55ジョセフ、カメラを壊してDIOを念写。
◆13巻P163DIO、カメラを叩いてジョセフと承太郎を念写。
◆14巻P75DIO、水晶玉に両右手の男の像を映す。
◆15巻P70ジョセフ、テレビの各チャンネルの音声を組み合わせ文章にして、DIOの考えを念聴。
◆16巻P144ジョセフ、アスファルト道路を媒介に、街の地図と道路の原料であるコールタールがある場所を灰の粒で描き出す。
◆17巻P196ジョセフ、テレビ画面に自分の脳の中とそこにいる敵スタンド「ラバーズ」を映す。
◆22巻P35ジョセフ、地面を媒介に町の地図を砂で描き、さらに自分に仕掛けられた敵スタンド能力「バステト女神」を媒介に、その本体マライヤの居場所を地図上に移動する小石で示す。
◆23巻P9ジョセフ、カメラを使ってDIOが潜む館を念写。
◆25巻P34ジョセフ、テレビ・ゲーム機・ゲームソフトを媒介にして、それらを世界中にある他の同型のテレビ・ゲーム機・ゲームソフトと照合し、イカサマの細工がされていないことを確かめる。
◆29巻P51ジョセフ、カメラを使って息子の仗助を念写しようとしてなぜか代わりに凶悪犯アンジェロが写る。(理由不明)