銀色夏生ページについて
僕が夏生さんの作品に出会ったのは、去年(2002年)の春でした。
ある読書のサイトで同じ本を読み感想を出し合うということをやっていたのですが、持ち回りで本を紹介しなくてはならなかったのです。僕は夏目漱石など昔の作家はよく読んでいたのですが、現代の作家となるとまるで知りませんでした。そこで本屋さんへ飛び込みおもしろそうなものを探しました。そこで偶然手に取ったのが新潮社文庫の夏生さんの「ひょうたんから空」でした。
本の題名も好きでしたし、ページをめくると楽しいイラストもあり楽しんで読めそうなのでさっそく買いました。薄い本ですから2日もあれば読んでしまいます。そして読んだ感想は「小説にしては下手だなぁ。。。。」でした。
しかしなんと表現をしたらいいのかわかりませんでしたが、読み終わったあとのさわやかさというのか、何とも言えない魅力のある本でした。さっそく読書のサイトで紹介をし、そのあと2回ほど読みました。
その後、新潮社文庫で「ひょうたんから空」の前編(「ミタカ君と私」)があることを知ったりして読みました。また、「夕方らせん」という物語集も買いました。「夕方らせん」からは、ものすごい衝撃を受けました。幻想的な中に醸し出される独特な世界に引き込まれました。もっとも好きな本になり、このホームページを作るにあたってハンドルネームを何にしようかと考えたときにすぐに「夕方らせん」を思い出しました。そして「夕方らせん」(螺旋)から夕螺(ユウラ)としました。
偶然に手に取った「ひょうたんから空」に出会わなかったら夏生さんとの出会いもなかったと思います。
本屋さんをぶらぶらしていたら、角川文庫にたくさんの詩集と「つれづれノート」という日記を発見しました。はじめはびっくりしたのですが、「つれづれノート」が10巻まで出ていましたし、すぐに11巻も発売になりました。すぐにその日記の楽しさの虜になり11巻すべてを読んでしまいました。詩集は恋の詩が多くてなかなか僕のような年の男にはなじめなかったのですが、「つれづれノート」に現れる夏生さんを見ているうちに詩の中身に夏生さんの精神世界を見ることができました。今は詩集も楽しく読み、恋の詩にどきっとしています。詩は、「僕は・・・・・」ではじまる男の詩という面も感じられることから男が読んでも違和感がないように感じます。なぜ女性の夏生さんが「僕は・・・・」の詩なのか?いろいろと考えて読んでいます。
また、古い作品が河出書房新社から出版をされていることを知ったり、幻冬社文庫からも4冊ほど出されていることを知り、現在集めているところです。角川でも、ミニ文庫にある「うまいウソ」や文庫の「ポストカード」はなかなか手に入らずイライラしているところです。
こんなにわかファンの僕ですが、ホームページを作ろうとしたときにやはり夏生さんのページを作ろうと思いました。
どのようなぺージにしようかといろいろ悩み考えた末に年表を作ってみようと思いました。しかしつれづれノート以前はほとんど夏生さんのことはわかりませんので「つれづれノート年表」としました。幸いにつれづれノート1巻にはそれまでの作品についてとエッセイなどが載っていましたのでそれを参考にして年表化しました。
「つれづれノート」の年表化というとおもしろおかしいマニアチックなものになるおそれがあると思います。たしかに楽しく作るというのが目的ですが、中身についても夏生さんの作品に対しての感想や、つれづれに書かれている夏生さんの人生観にふれたりその感想なども書ければと思います。詩についても好きな詩の紹介感想も書きたいと思います。このような意味では、年表という形を取りますが、僕の夏生さんとの会話という意味でつづけたいと思います。
もちろんつれづれに出てくるレストランや食べ物など、インターネット検索など調べられる範囲で調べたいと思います。でも、これも夏生さんへのストーカー的なものではなくて作品をより楽しく読みたいという観点からです。また、「しげちゃん」など、夏生さんファンなら誰でもが知っている項目でも「辞典」に入れながらはじめて夏生さんの作品を読む方にもわかりやすいようにもしたいと思います。
このような作業はだいぶ月日がかかるものだと思います。つれづれはもちろんその他の作品も読み返す必要がありますし、感想などを文章化するのも大変だと思います。いろいろな間違いや手落ちがあるのは仕方ないとあきらめていますが、なるべく楽しくつづけられればと思っています。その意味では僕のライフワークになると思います。少しづつ更新をして行くつもりです。お暇なときはのぞいてみて下さい。
もし夏生さんの作品をまたはじめから読み返したいという方がいらっしゃいましたらご一緒に年表づくりをしてみませんか?また、はじめて夏生さんの作品を読みたいという方も大歓迎です。楽しくお話ができればと思っております。
なお、夏生さんの詩は、レコードにもなっています。僕の力ではこの点につきましては全くの手付かず状態です。いつの日か調べられればと思っています。もし関心をお持ちの方は「銀色夏生ファンページ」というサイトがありますのでこちらをご覧いただきたいと思います。
2003年8月 記 夕螺