【題意】
謡曲「高砂」の「四海波静かにて」から「君の恵ぞ有難き」までの通称でもある。
【和歌】
幾千代の契なるらん常盤なる松の梢の鶴の巣ごもり (内柴御風)
【詩意】
天下は太平にして、めでたいしるしに満ちている
相生の松は栄え、世は穏やかである
高砂の一曲に喜びは尽きない
永遠の契りを結ぶ三々九度の杯
【語釈】
四海波恬=「六合塵清、四海波静」(楊万里)から、四方の海が静かなこと。転じて、国の
内外が平和に治まっていること。
相生の松=雄松と雌松の幹が途中で合わさったもの。夫婦等が共に年を経ることのたとえ。
枝を鳴らさず=「論衡」の一節。世が治まり、平和であるたとえ。
高砂=謡曲。世阿弥作。古名「相生」「相生松」。祝言曲として、祝儀の席でよく謡われる。
肥後阿蘇の宮の神主友成が都に上る途中、高砂の浦(現在の兵庫県南部)で景色を
眺めていると、老夫婦が通りかかり高砂と住吉の二本の松を「相生の松」といういわれ等
を語って去る。友成が住吉に行くと明神が現れ、御代を祝って神舞を舞う。
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