【題意】
宇文六を見送る。
1.江北の地で江南に旅立つ友人を見送るもの
2.江南の地で江北へ行く友人を見送るもの
二通りの解釈が存在する。
しかし、作品の肝は麗らかな春の描写と、憂いをたたえた我が心との対比にこそある。
【詩意】
花はしだれ柳の緑に映えて、漢水の流れも清らかである
やわらかな風が林を吹きぬけ、花の一枝が軽やかに揺れる
今、江北もまたこの様な春景色であるだろうが
君と別れ、江南に残る我が心は深い悲しみに包まれている
【語釈】
垂楊=しだれ柳。 漢水=漢口で揚子江に合流する大河。
愁殺=深い憂い。
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