MOVIEtonbori堂

最強の破壊王、超絶バトル!
これが最後だ!

ゴジラファイナルウォーズ

製作/富山省吾
監督/北村龍平
脚本/三村 渉/桐山 勲
撮影/古谷 巧
特殊技術/浅田英一
音楽/キース・エマーソン/森野宣彦/矢野大介
タイトルデザイン/カイル・クーパー

キャスト
尾崎真一/松岡昌宏 音無美雪/菊川 怜
ダグラス・ゴードン/ドン・フライ 音無杏奈/水野真紀
X星人参謀・統制官/北村一輝 風間勝範/ケイン・コスギ
醍醐直太郎/宝田 明 波川玲子/水野久美 神宮寺八郎/佐原健二
小室少佐/国村 隼 X星人司令官/伊武雅刀

いやもう ぶっとびですわ(^^;ゴジラファイナルウォーズ
基本的に北村龍平作品の「VERSUS」は好きだし「ALIVE」もけっこうツボにはまった。なので期待大かというとそうでもない。何故なら彼の「あずみ」や「スカイハイ」には高い評価を必ずしも持っていないから。このレビューでは甘めに書いているけれどやはり厳しいもんがある。その上彼はそのこだわりに必要以上に足をとられているようにも見えるのだ。いつまでもシステムと戦ってはほしいけれどそれを打破するにはおいらを黙らすくらいのさらにモアパワーをぶち込んでくれとエールだかなんだかわからんことを一応書いとく。
で、「ゴジラ」映画ってのはある種オレゴジラってのがある。対して北村龍平という男は「オレ映画」を撮る男。ニュースを聞いたときから心配ではあった。

かなり心配しながらの鑑賞だったのだがのっけからとばしている。初代轟天号が南極でゴジラと戦うシーン。しかも艦長は平成ゴジラのもう一方の顔ともいえる中尾彬氏に副官上田耕一氏。はっきりいってこれだけで一本作れるやん!というめちゃくちゃ燃えるシークェンスをあっさり冒頭に。流石北村監督(^^;噂のOPタイトルをはさみ本編へ。ちなみにカイルらしい仕上がりではあるが多分ゴジラファンには不評?それを吼えてもしょうがないけれど監督本人がやったほうがいいんじゃないか?といっとく。と、、いきなりマンダ新轟天号の バトル。ここで主人公尾崎(TOKIOの松岡くん)とゴードン大佐(ドン・フライ)登場。どういう人物なのかわかりやすく紹介(笑)その後ゴードン大佐は 司令官(水野久美氏)にこっぴどく怒られ営倉行き。尾崎はマトリックス風味な演武シーンのあとにヒロイン音無美雪(菊川怜)の護衛任務を命じられる。美雪 は北海道で見つかった謎の怪獣のミイラの調査のために国連から派遣された分子生物学者。防衛博物館(っていったいなんだろう)のドック(って何故博物館に ドックが?)に。そこで神宮寺博士(佐原健二氏!)から謎の怪獣は1万2000年前のもので機械と生命の融合した怪獣でいわばサイボーグ怪獣というべきも の。しかもM塩基というミュータントにしかない(OPの前後に尾崎はこの時代になって発見された特殊能力を持った人類ミュータントと言われる新人類でそれ を対怪獣の尖兵として組織された機関「M機関」の一員機関の上官熊坂(船木誠勝)のもとに同僚の風間(ケイン・コスギ)らと轟天や小型メーサー銃で戦 う。)塩基を持っていると告げられる。その時小美人(長澤まさみ、大塚ちひろ)によってインファント島に瞬間移動した3人は件の怪獣がガイガンと言い1万 2000年前にモスラと対戦し地球を蹂躙したと告げる。そして尾崎にはその邪悪な血が流れていると言い彼にインファント島に伝わるお守りを渡す。あまりに 突然な展開に(笑)戸惑う3人そんななか日本初の国連事務総長醍醐の乗る専用機が謎の飛行物体に襲われ消息を断ち同時多発的に世界中に怪獣が出現。地球防 衛軍は空中戦艦を出動させて怪獣に対する。尾崎たちは東海コンビナートに出現したエビラに肉弾攻撃を開始する。
しかし怪獣をあと一歩まで追い詰めたときに怪獣達は突然消滅。そして防衛軍本部に現れた巨大宇宙船。なかから現れたのは行方不明になった醍醐事務総長。彼 は宇宙人たちに敵意はないと語る。謎の異星人の司令官は外宇宙にからやってきたと言い「X星人」とでも呼んでほしいという(この司令官を伊武雅刀)X星人 は地球に向かってくる遊星ゴラス(!)が地球に衝突それには地球の総戦力で対抗しかなく我々の言う地点に総力を結集して欲しいと言い醍醐はそのために地球 人類が一丸となることを訴える。しかし美雪の姉でキャスターの杏奈は醍醐に違和感を感じる。巷では怪獣を消し去ったX星人に対し友好ムードが広がるが妹の 美雪を訪ねた杏奈は醍醐はニセモノではないかと美雪と尾崎に告げる。彼は瞬きをしない!疑惑を司令官に報告しようとする尾崎。しかし司令官も瞬きをしないま た神宮寺博士の分析によりゴラスの映像が人工的な映像ということが判明。この誰も信用できない状況下尾崎はある人物を思い出す。この騒動前に営倉に収監さ れた轟天号艦長、ゴードン大佐である。彼と杏奈、美雪とともにX星人の陰謀を暴くために罠をしかける。TV放送中に愛犬の名前を言えなかった(^^;醍 醐、そこに本部で正体を現し美雪に襲い掛かろうとしたX星人を倒したゴードン達が現れる。事態を収めようとする司令官をあっさり撃ち殺したX星人の参謀 (北村一輝、怪演!)は自らを統制官をとし地球人はX星人の家畜だと言い放つ。統制官はミュータント部隊を不思議な力でコントロールしゴードンたちを襲わ せる、熊坂が身体を張ってゴードンたちを逃がすが風間がバイクに乗ってゴードンたちのトラックを襲う。尾崎は自らバイクを駆り風間と一騎打ちを挑み倒す。 重傷をおった風間をつれ轟天号秘密ドックへ向かった一行はゴードンから驚くべき秘策を聞く。南極の氷に封じ込められた最強の怪獣をゴジラを目覚めさして暴 れ回る怪獣たちを倒すというもの。おりしも統制官が目さめさしたガイガン、世界各地に放った怪獣により防衛軍の空中戦艦は全滅、人類の命運は風前の灯と なっていた。瓦礫の中から南極を目指して飛び立った轟天。ガイガンに攻撃を受けながらもゴジラの眠る氷壁にミサイルを撃ちこむ。
そして最強の怪獣ゴジラが甦った!
このファイナルウォーズは制するのは地球人類か?X星人か、それともゴジラなのか
という筋立て(長い(^^;)というかここまでで半分くらい?時計を見てないから解らないけれどとにかくここから後は怪獣のオンパレード。そこそこに見せ場のある怪獣もいたけれどヘドラがほんとうにあっさりやられてしまうのには残念な がらヘドラを活躍させると時間がもっと押していたことは必至。それぐらいおなか一杯になるくらいのアクション満載。とにかく必要最小限のストーリーライン (多分長くあらすじ書いたけれど詰めれば90分でおさまる)にアクションにつぐアクションで話をつなげる北村流で2時間ぶっ通し。つかれる人もいればなんじゃこりゃという人もいるだろう。
だけどこれは東宝チャンピオン祭りリアルバージョンだと本日観て思った。
ネタもあちこちから引っ張ってきて(リベリオン、インディペンデンスデイ、etc)いるけれど怪獣が沢山出てきて悪の宇宙人やらが出てきて地球人を征服す るという簡単な筋立てをドーンと見せるというヤツである。かなりゴジラファンからは反発は必至だと思うけれどそんなに悪く言うほどのものじゃない。但しこ れで終わりってのは納得出来ないというか最初の「海底軍艦vsゴジラ」はもっとロングバージョンでリライトして創って欲しいとマジ思ったよ(笑)あとあら すじには書いていないけれどミニラが復活している。ベビーゴジラとかでその存在が一時抹殺?されていたゴジラの息子。この存在と扱いが東宝チャンピオン祭りだなと思わせた最大の要因。出ずっぱりだとアレなんだけど個人的にはこういう使い方ならいい(爆笑)というか肝心なところはゴジラが出てきて破壊のかぎりを尽くし最後の締めでミニラがかっさらうというのは正しいやり方だと思う。
あと上海に出動する空中戦艦「火龍」の艦長が前作まで「機龍」隊の隊長をしていた高杉旦だったり佐野史郎さんがおいしい役で出ていたりというおまけあり。
あと北村監督自身も顔出ししているんだけれどこのラジオ番組のネタは完全に「VERSUS」のオーディオコメンタリーを聴いているコアな北村マニア向けなものふつーならそんなモノはいれないけれど色んな意味で(しかも自身の顔出しで)やっちゃうところが(これも色んな意味で)大物(^^;
まあこれは異論もあるだろうし映画ガチンコ兄弟のドリーさんによると北村監督はこれをどこにもっていっても恥ずかしくない映画として仕上げたとの事。
だけどね映画ってのはその原体験やらなにやらがさらけ出されちゃうわけで彼が否定しようがなんだろうが子供の頃に観たモノが投影されてもおかしくないんだってばさ。それ自体は別に悪い事出もなんでもないしそこに自分の色をつけるということでは普通ですわな。そういう作品を確信犯で撮っているのかそうじゃないのかという事も問題になるかもしれないけれど出来上がったフィルムがどんな経緯を経てもそれが回答になるしあとはそれを観た人の判断ということではこの感想には自分では全く納得している。あと余談になるが国村準氏がゴードン大佐副官小室少佐役渋いところを決めているがちゃっかりギャグをしていた。、あとBOBAさんこと田中要次氏も出ているんだけど どうもカットされたシーンのようでエンドロールでしか確認出来ない(^^;やはりここはディレクターズカット版を待てということなのか?あとチーム 「VERSUS」もしっかり出てます(^^;

追記 多分絶対ゴジラは復活すると思う。
だって最強怪獣がこのままじっとしているわけはない。いつの日かムー文明の残した巨大な亀型怪獣(生命体)とほんとうの最強を決める戦いをするまで(笑)
それはさておき今回のゴジラこんだけ怪獣が出てお祭り騒ぎを盛りたてているところと最後を連発しているところから暫くはお休みしてまた華々しく復活という感じになると予測。
その場合希望で「ゴジラvsガメラ」(充分ありえる、東宝と角川だし)とか注目を集める形での復活という事になるだろう。その時は重厚感あふれる怪獣映画となるか今回のようにお祭り映画になるかは解らないけれどここまでやりちぎっているから次の人はけっこう大変だと思う(これまた色んな意味で)それまで静かに待つとしたい。
えーっとこの文章をブログのエントリとして書いた時はまだ「ローレライ」が公開されていなかったが色んな意味で平成「ガメラ」組での(金子監督だけというのはなしよ(笑))撮影を期待したいが最悪樋口監督+伊藤和典アドヴァイザーに押井でも良いぞ(爆笑)
※ブログに掲載した文章に加筆修正。

Vol..58「スカイキャプテン」を観る      Vol.60「カンフーハッスル」を観る