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謎のロボット軍団現る!
この危機を立ち向かえるのは彼だけだ!

スカイキャプテン ワールドオブトゥモロー

スカイキャプテン ワールドオブトゥモロー

製作/ジョン・アヴネット/ジュード・ロウ/サティ・フロスト/マーシャ・オグレズビー
製作総指揮/オーレリオ・デ・ラウレンティス
監督/脚本/ケリー・コンラン
美術監督/ケヴィン・コンラン

キャスト
スカイキャプテン(ジョン・サリバン)/ジュード・ロウ
ホリー・パーキンス/グウィネス・パルトロウ
フランキー・クック/アンジェリーナ・ジョリー
デックス/ジョヴァンニ・リビシ
ベイリー編集長/マイケル・ガンボン
謎の女暗殺者/パイ・リン

1939年ニューヨークに向かう巨大飛行船「ヒンデンブルク3世」この飛行船に乗っていた男は誰かに追われている様子。ボーイに電報を頼むがその後姿を消した。そんな中事件を追う敏腕記者ポリー・パーキンスの元に次に狙われるの者を知っているという手紙が。会いに出かけたポリーの前に現れたジェンキンズ博士は大戦前に参加した「ユニットイレブン」に関わる者が失踪しており次は自分と告げる。その時ニューヨークに謎の飛行物体が現れ街を破壊し始める。!この危機の前に対応出来るのは彼しかいない。

緊急無線が彼を呼ぶ「スカイキャプテン応答せよ」

謎のロボット達に絡む秘密計画「ユニットイレブン」その裏に潜む謎の科学者トーテンコフ博士とは?という筋立て。
全編がソフトフォーカスがかかったように見えるので古いモノクローム映画を着色した雰囲気がありそれが古きよき空想冒険映画を思い出させる。思わず昔の「鉄人28号」あたりを思い出したあたりがおいらも歳だなーと。基本的にこういう世界観は好き。ネタもなるほどとにやりとさせられるものも多かったし。
殆ど全ての背景をブルーバック合成でCGの力を借りて構築したとか。元々6分の短編映画を独力で作り上げたコンラン監督の映像を観たプロデューサーのアヴネットがコレは面白いと取上げてジュード・ロウに。そこから彼が声を掛けてグウィネスやアンジェリーナ姐さんというキャストがそろって完成をみた。
いわば監督の観たかったアメコミ、カートゥーンにスーパーマリオネットなどなどのエッセンスがぶち込まれた肩の凝らない娯楽作品。そういう意味では「CASSHERN」とは対極の位置にあるといっても良いかもしれない。(その持っているスキルを遺憾なくぶち込みながらも話が違うベクトルを向いているという点で)
ちなみにアンジェリーナ姐さん、美味しいところしっかり持っていってます(^^)次回作あるならさらなる活躍を期待したいっすねーというくらい隻眼の荒くれ女艦長をまさにはまったように演じている。スカイキャプテンの使う飛行機はカーチスウォーホークP−40C。第2次世界大戦の陸軍の主力戦闘機(当時空軍は無く陸軍航空隊と海軍航空隊しかなかったので)ある機能が追加されているがそれは映像を観てご確認を。昔の特撮ものを観ていて心を躍らせた向きには興奮もの(但し飛行機ファンや設定マニアには噴飯ものかも(笑))そして宮崎監督のルパン2ndシーズン最終話やラピュタで活躍したロボットのモデルとなったフライシャーの「スーパーマン」に登場したロボットから影響を受けたという巨人ロボット軍団。これを見せられた時は既視感に襲われましたよ(笑)監督はラピュタは知らないと言ってたけどどうなんだろうか??ただ巨人ロボの行進シーンは昔のアメコミや60年代アメリカ特撮(クレイアニメーション)映画にもありそうだしまあここらへんは宮崎監督も影響を認めているのでそういう事にしときましょう。
ただ問題が無くも無い。全体的にCGで背景を構築したため軽い。そのためのソフトフォーカスをつかったため全体的にゆるい(^^;もちろんソフトフォーカスを使っても締める事は出来るけれどそのための蓄積がまだまだと感じた。(特に光と影の使い方)これは次への課題として欲しいもの。そして名優ローレンス・オリヴィエを過去のアーカイヴから使ったこと。これについては何故彼なのかという気がする。ジュードのアイデアとは言うけれどちょっとやりすぎ?のような気が・・・・。
しかし肩肘張らずに気楽に観れる娯楽映画としては中々に面白かったと言える。
次回作もいい意味でおたく的に仕上げてほしいもの。「マトリックス」のように変な方向に進まずに(笑)
※Webtonbori堂ブログに掲載したものを一部改訂再掲載しています

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