酷酔夢譚 KOKUSUIMUTAN

千倉発

酷酔夢譚

1996.6.29-


» 南房総お酒飲んで日記

酒を飲みつつ見た聞いた考えた

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97/12/01 KIRIN LAGER

大分寒い。ビールもあまり旨くなくなってきたなあ。

ところで、大化2年、つまり646年の正月一日に「改新の詔」というものが出た。この中で屯倉を止めて公地公民の制度を導入する。つまり大和朝廷の勢力の及ぶ範囲の日本では土地の私有制度がなくなるのだ。そうなんだ、封建時代というのも土地の私有を否定するところに成り立つ訳だし、日本では、土地の私有制度といってもそう古い伝統に根差しているわけではないのだ。にもかかわらず、俺の土地は俺が自由に処分して良いという考え方を思い切って進めたものだから、土地がまるで品物のように流通してバブルなんて時代があったんだろう。その流通が滞ってしまったものだから不良債権を抱えて金融機関が四苦八苦している。

いっそこの不良債権を国家が引き取ってしまったらどうだろう。そして、その土地を安い値段で必要としている者に貸し出すというのはどうだろう。そうすれば土地が異常な値をつけるなんてこともなくなり、人も移動と居住がしやすくなるだろうに。ヨーロッパやアメリカも割と居住に関して人が流動的なのは、決して地価が高くないからではないのだろうか、俺は知らないけどそう思う。ところが、景気対策などというものを聞いていると、土地の流動化を進めるべく規制緩和をしろ、という意見が出てくる。どうもバブルふたたびを期待しているように思えてしまうのだが。