国道春日バイパスの中関上の平にある名号石は、通称「弘法様」と呼ばれ、弘法大師の真筆とされています。高さ2.7mの大きな碑で、建立から開眼の様子が詳しく記録されてる(籠平文書)点でも貴重な文化財です。
この名号石は、背面に「為十方法界無縁精霊、維時文政二己卯年春三月、飯島聴事吏吉田源久徴造之、本邑民無老壮相与助之」(十方法界無縁精霊のために、時これ文政二己卯の年春三月、飯島聴事吏、吉田源久徴之を造る、本邑民老壮なく相与に之を助く)と刻されていて、建立者や建立の趣旨がわかり、村民の協力も明記されています。
開眼法要には、一重一斗の大きなお供え餅を三つ供え、参詣者に餅や銭を投げたり、赤飯を振舞い、酒も二石四斗飲んだといいます。
傍らの角柱は建立百年の記念碑で、内田源内が先達となり建立したものです。 (S62・4)