武田家の末裔碑

 昭和63年5月、県文化財保護協会の事業として全県下の石碑調査が行われたときのことです。林信夫さんの車で智里中平から藤の戸へ越す途中、道端にあるこの碑を見つけました。車を降りてよく見ますと、「武田家ノ末裔碑」と彫られていて、年号や建立者の刻字はありません。高さ59p、幅50p、そんなに古いものではなく、大正以降、むしろ昭和前半期のものという印象です。

 このような<かわった>石碑を建てたのは誰なのだろうと、好奇心をくすぐられる思いでいましたところ、はからずも藤ノ戸の家号「松葉」の原文実さんから、養父である原喜久平さんが建てたことをお聞きしました。阿智村には、丸山の高坂さん、大野の井原さん(旧姓原)、それに藤ノ戸の原さんなど、武田氏又はその家臣の末裔と伝える家が点在しているようです。  (H6・2)

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