『石やさこまんば』の童画碑

 昭和57年11月28日、阿智郵便局新局舎の落成式が挙行され、式に先だって局舎前に建立された「石やさこまんばの碑」が除幕されました。
 「石やさこまんば、あなほって通れ」というわらべ唄は、阿智村に残る唯一の地元発生歌謡で、遊び歌として近郷にも広く歌われているものです。

 歌の意味は、昔この地に関所があり取り締りがきびしかったので、通行人が迷惑がって、いっそ穴を掘って通り抜けたいという思いがこの歌になったと一般に流布されていますが、歴史的にみて安布知の関があった時代はあまりに古すぎて、むしろ繁華な駒場の宿場を通ると買いたい物も目につく、借りのある店の前も通らなければならない。酒場もある、女もいる、いっそ穴を掘って通りたい……ではなかったかと思われます。

 原画と書は当村出身の熊谷元一先生、施工は駒場の宮嶋石材店、建立は阿智郵便局長矢沢昇氏です。落成式にはこの碑の拓本が仮巻きで参列者に頒布されました。  (S57・11)

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