知らずに踏んでいた敷石の文字

 上中関にある春日神社の拝殿前にある石段の下の敷石の一つに、文字を刻んだ平らな石がありました。そんな文字があるとは知らずに、多くの人がこの石を踏んで参拝しましたが、こんな所にも神社の歴史を物語る貴重な史料が秘められていたのです。この文字を原治幸氏が解読復元したのがこの写真です。

 正徳二年(1712)は今から286年前、下中関の氏子の人々が敷石を寄付し、神主の塚田庄太夫貞栄が、きだはし(きざはし=階段)すなわち石段を建造して寄付したという記録です。これより23年後の享保20年(1735)に現在の社殿が造営されていますのと、明治43年(1910)の境内の大改修により石段も敷石も改装されました。
 このごろ、この石は社務所の下の段に移されて石碑となっています。 (H10・1)


 奉建立 敷石 下中関氏子中
 奉建立 きだはし 塚田庄太夫
                 貞栄
 正徳二年壬辰六月廿一日

はじめに 総合目次 足あと 1章 更新履歴 阿智の産土神