春日神社の土製神鹿(しんろく)
上中関に鎮座する春日神社は建久三年(1192)の創建で奈良の春日大社から勧請したといわれます。
奈良の春日大社には鹿がたくさんいて、今は観光資源の一つになっていますが、これは春日明神の神使(しんし/お使い)とされています。
上中関の春日神社には生きた鹿はいませんが、粘土で素焼きした高さ30cmほどの鹿が二体あります。すでに角や耳は欠け落ちていますし、一体の方には四本の足もつけ根からありません。
背中にへらで刻んだ文字があり、「奉寄進 前原村 塚田内記、寛延三午年十一月十五日」とあります。
寛延三年(1750)は京都で御神像を作製し奉迎した翌年で、塚田内記は当神社の社家(歴代神主)でした。
(H8・4)