安布知神社の古絵馬額
絵馬とは「祈願または報謝(祈願成就のお礼)に社寺に奉納する絵の額、上部が屋根形で、馬または木馬を奉納する代りに馬の絵を書いた<広辞苑>」といわれます。
駒場の安布知神社には、古い絵馬の佳品が何枚かあったことを郷土史家の市村咸人(みなと)先生が「伊那」の昭和二十九年一月号に書かれていますが、上の写真は市村先生のとり上げられた中には入っていないものの、絵馬の原型を示す遺物であろうと思われます。
すでに墨の色も残っていないはど曝(さ)れていて文字も読めなくなっていますが、他の絵馬と比較してみて、延宝〜元禄ころ、つまり三百年以前の奉額と堆定されます。
過日神社総代の林昭好さんにお願いして、神社の本殿の高床下に保存されている絵馬の類を見せていただきましたが、残念ながら市村先生がとりあげた春駒の絵馬とこの写真の絵馬は見当たりませんでした。写真は昭和四十六年の撮影。
(H8・5)