安布知神社の丸石と冠石

 この写真は、昭和47年、中央自動車道の工事によつて安布知神社の社叢の一部が削りとられることになった時記録保存の調査が行われた頃のものですが、その時にも、現在も、この石がどうしてこの神社にあるのか、深く考えてみることもしませんでした。

 ところが、郷土誌「伊那」に、高森町大島山の大洞紀元さんという90歳になる方が「丸石信仰」説をたびたび発表されたのを見て、この石もかつてはこの地の人々の信仰の対象であったかと思うようになりました。

 右から2つ目は丸石ではないが、何とも不思議な形をしており、自然石か加工したものかも判然とはしないものの、どうも「冠」形の石として、あるいは御神体として内陣に納められてあったものではないかと思われます。

 当社の現在の御神体は江戸時代の木像です。木像以前の御神体に関する記録はありませんが、この石はただの石ではないと思われます。 (H5・1) 

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